和太鼓を通じて

 1年の半分が終わり、今日から7月に入った。7月といえば七夕。製作コーナーでは七夕飾り作りが佳境を迎えている。子どもたちに、七夕の意味や由来を改めて伝えてたくて紙芝居を読んだ。こういう時に、紙芝居は最高の道具。

 読み終わった後に、願い事を聞いてみた。

 結希人「サッカー選手になりたい。」

 弓乃「コックさんになりたい。」

 と教えてくれた。

 七夕の話に続けて、その次の次の日はなんの日かと聞いてみると、「七夕!」「プール!」と出てくる中、奏音くんが「せいびまつりだよ!」と言い当てた。そこで、お祭りのコーナーとしても登場する、和太鼓をひと足早く触れられるように用意した。

 確かめるようにそっと叩いたり、一発目から力強く叩いてみたり、縁を叩いて音の違いを感じたりもしていた。驚いたことに、子どもたちは自発的に列を作り、順番を待っていた。そして、保育者が「そろそろ代わってあげてね。」と声をかけると、もう少し!という子が必ずいると思ったのだが整然と交代していく姿に感心する。

 数人の子は、あまり興味がないのか、玩具を出して遊び始めていた。「うるさいから。」とのこと。

 雪ちゃんもその1人だったが、ふと目をやると大型ブロックをバチに見立てて絵本を叩き、太鼓を再現していた。その様子を見て、すぐさま「本物を叩いてみたら?」と声をかけたが、「本物は叩きたくない・・」と自信がなさそうにつぶやいた。

 段々と順番待ちの列も少なくなったところで、雪ちゃんにもう一度声をかけると、「・・・うん、ちょっと叩いてみようかな。」と少し恥ずかしそうにしながらバチを握った。そして、そっと『ドンドン』と叩き始めた。最初は優しい音だったが、少しずつ叩く力が強くなり、音が響くようになった。表情もにこやかになり「楽しい!」と感想を漏らしていた。

 大勢の前では、少し気後れしたのかもしれない。自分を発揮できる環境は人ぞれぞれ。そこに合わせていくことの大切さを改めて感じた。

 太鼓を設置したと同時に『エビカニクス音頭』をずっと流していたのだが、曲に合わせるよりも、まだ好きに叩いてみたいようだった。そこで、保育者がリズムに合わせて叩いてみせたのだが、あまり関心はないようだ。

 しかし、待つ子が現れない限り、いつまでも叩き続けていた弥生ちゃんは、少しずつ曲に耳を傾けていった。そして、リズムに合わせて強く叩いてみたりするようになってきた。その姿に私は感動した。

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