惹かれる

 うみぐみの部屋では、ままごと遊びを楽しむことが多い子が、今日はブロックコーナーにやって来た。そこには担任が居たのだが、それとは別の魅力があるようだった。

 それは、せっせとブロックで何かを作り出している仲間の存在。

 孝太くんは、空のブロックケースに、青いブロックだけを敷き詰めていた。ケースの底の1/3程を埋めると、今度は底を縁取るように並べていく。

 何かイメージがあるのが分かったので、「何を作ってるの?」と尋ねると、「鶴のプールだよ。」と教えてくれた。
 確かに、別の子の手には、折り紙で作った鶴が握られていた。

 そんな保育者と孝太くんのやり取りを見聞きしていたうみぐみの子が、そっと孝太くんの側に移動したが、孝太くんは気にもとめていない。

 それから、孝太くんは青いブロックが埋まっていない隙間を指差し、「ここは穴なの。」と保育者に言った。「え、なんの穴?!」と保育者が尋ねると、「プールの穴。かぜさんのプールも、人がいない時、穴開けるよね。」と言った。
 確かに園のプールは、子どもたちが入り終わると、栓を抜いて水を抜く。

 「あぁ、水を出す時に開ける穴だね!」と納得しながら、保育者は孝太くんの観察力と再現力への驚きと感心でいっぱいだった。

 ここまでのやり取りを聞いた後、ついにうみぐみの子が、孝太くんに声を掛けた。
 二人は、同じブロックを通し、会話ややり取りを楽しんでいく。

 孝太くんの創造物に惹かれていたのは、保育者だけではない。『惹かれる』ということは、『引き寄せられる』ことだと、二人の距離の変化を見ながら、そう感じた。

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