風船遊び

 「見て〜!」という声に振り返ると、風船をブンブンと振ってアピールしている子どもの姿があった。風船を持つ子が移動すると、数名がそれについていき、羨ましそうに風船を見つめている。

 そこで、「みんなも風船で遊びたいの?一人1つ出そうか。」と声を掛けると、「やった〜!風船する!」と声があがった。

 何色もの風船が入った袋を見せ、「どの色が良い?」と尋ねると、「あお〜!」「みずいろ!」「みどりがいーいー!」と好きな色を答える。自分で好きな色を選び取る子もいた。

 自分たちが選んだ風船を、保育者が一つひとつ膨らましていくと、目を丸く見開いて見つめる子どもたち。「お〜!」「膨らんだ!」「大きい!!」とそれぞれが感じたことを言葉で表現していた。

 膨らんだ風船を手にすると、投げたり、蹴ったり、飛ばしたり、転がしたり…。思い思いに風船の動きを楽しんだ。

 もっとその動きを楽しめる方法はないかと、「風船に紐つけてみる?」と提案すると、「つけてみる〜!」「つけて〜!」と子どもたちがテーブルへと集まってきた。「紐の長さどれくらいがいい?長く?短く?」と尋ねると、「これくらい。」と両手を使ったり、「ここ!」と位置を指を差して長さを伝える。

 保育者が紐を風船に結びつけている間、子どもたちは、「取れちゃわないかな?」と呟きながら、夢中になってその姿を見つめていた。

 紐がついた風船を手にすると、すぐさま運動コーナーへと向かう子どもたち。何故運動コーナーへ?と不思議に思っていると、「見て〜!」と走り出したのだった。すると、途端に風船がふわりと宙に舞う。それを見て、「飛んだ!!」と風船を目で追い、皆真似をして、ぐるぐると駆け回り出す。

 その様子を見ていて、走ると風船が浮くだなんて、一体どこで知ったのだろうと考えを巡らせた保育者であった。他の保育者と話すうちに、にじぐみの頃、園庭で同じように遊ぶかぜグループの子どもたちから、 その風船を借りて遊んだことがあることが分かった。きっとそれを覚えていたのかもしれない。

 エアコンに風船がくっつくことを発見した保育者が、子どもたちに「ここにくっつくよ〜!ほら〜!」とやって見せると、「僕も〜!!」「やって〜!」と抱っこをされて、自分の風船もエアコンにくっつけてみる。

 「くっついた〜!」「飛んでる!!」「浮いた!」と大興奮の子どもたちは、しばらくエアコンについた風船を見上げていた。「宙に浮く」ということが興味深いようだ。

 その後、ピタゴラスで作った塀の中に風船を入れている子を見つけ、その理由を尋ねると、「だってこれ飛んじゃうもん。あれが涼しいから。」と呟いて扇風機を指差す。なんと、扇風機の風で風船が飛ばないように塀を作ったというのだ。その発想力には驚かされた。

 こんなにも子どもたちを魅了するのなら、プールにも風船を持って行ってしまえ!と、テラスに持ち出した。昨日に引き続き、水鉄砲で的打ちをしようと計画を立てていたため、その的を風船に変えてみた。風が吹くたびにふわふわと動く風船を狙い撃つのは至難の技。それでも狙いを定めて水鉄砲を放つ。

 風船に水鉄砲が当たると、ボボボッと音がし、それが当たった合図になる。音が聞こえると「当たった!」「当たったねえ!」「音がした!」と、その楽しさを、言葉で交わし合った子どもたちであった。

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