ダンゴムシは友だち

 4月の終わりに、はなぐみの仲間に加わったダンゴムシたちは、今も飼育ケースの中で元気に過ごしている。飼い始めた頃は、興味が薄れてきたら放してあげようと考えていたのだが、一向に興味が尽きない。

 もちろん、飼い始めた頃のように、大勢で熱心に観察するほどではないが、毎日誰かしらが、飼育ケースの中を覗き込み、保育者お手製の空き箱迷路にダンゴムシを入れて、じっくりと観察するのだ。

 ダンゴムシをきっかけに、虫への興味も日々深まっているはなぐみの子どもたち。今朝は保育室に足の長い蜘蛛を発見し、みんなで体をくっつけ合ってその動きを追い、透明な玩具に蜘蛛を入れてしばらく観察していた。

 一人の子の「逃がしてあげようか」の一言で、「そうしよう」と素直に蜘蛛を外へと逃がしてあげる子どもたち。

 蜘蛛が去っていくのを見送ってから、ダンゴムシの餌をもらいに給食室へ。今日は人参をもらって、ダンゴムシの飼育ケースへと入れる。

 飼育ケースの中には大きなダンゴムシもいれば、目を凝らさなければ見えないほど小さなダンゴムシもいる。

 数ヶ月の間に赤ちゃんが生まれているので、ケースの中にはかなりの数のダンゴムシたちがいるのだ。「赤ちゃんいるね」「ご飯だよ」「葉っぱも食べてるよ」「人参かじったのかな」「喜んでるね」と自分の発見を伝え、ダンゴムシの気持ちを想像して言葉にしていく。

 2匹ほどつまみ上げると、迷路の箱に入れ、ダンゴムシがモゾモゾと歩くのを頭を寄せ合って見つめている。

 ダンゴムシが壁をよじ登り、脱走しようとすると「ここにいてね」「おうちに入れるよ」と声をかけながら箱の中に戻し、じっと動かないダンゴムシには「どうしたの?」と軽く突いてみたりする。

 子どもたちとダンゴムシの姿を見ていると、少しずつだが関わり方が変わってきているのを感じる。以前は指先に力を込めて触ってしまうので、ダンゴムシを潰してしまったり、無理やり丸めようとして強く握ったりしていたが、今は触り方も優しく、ダンゴムシに語りかけたりしている。

 しばらくダンゴムシと触れ合って遊んでいたが、ダンゴムシがモゾモゾと動いたのを見て、「キャーッ」と後ずさりして見せるのだが、実は怖がっている訳ではなく、それは明らかに笑いながら、怖がっているふりを演じているのだ。

 それはまるでごっこ遊びのようだ。怖いダンゴムシから逃げる姿を演じて遊んでいる。毎日を一緒に過ごしてきたダンゴムシたちは、すっかり仲間になっていて、一緒にごっこ遊びをしているつもりなのかもしれない。

 さっきまで仲良く遊んでいたのに、急に悪役を押し付けられたダンゴムシには、いい迷惑なのかもしれないが、なんでも見立て遊びにしてしまう、はなぐみの子どもたちの想像力に感心した。

 まだしばらく、ダンゴムシとの交流は続きそうだ。 

 ダンゴムシと遊んだ後は、久しぶりに園庭に出た。

 砂遊びや滑り台など、それぞれが好きな遊びを存分に楽しむ姿があった。

前の記事

本気と本気

次の記事

蝉のすみか(2)