蝉のすみか(2)

 今日は久しぶりに涼しい陽気だった。
 園庭遊びか散歩に出たいかを尋ねた結果、10名の子どもたちと共にパンダ公園を目指す。

 散歩自体も久しぶりだが、うみぐみだけで出かける散歩はいつ以来だろう…そんなことを考えながら歩き出すと、小走りで少し先に行った子が歩道の一角で止まった。

 「まだ赤ちゃんだぁ。先生、大きくなったら採ろうね。」そこは、毎年赤い実がなる植物の前。
 いつまでも子どもたちを惹きつけ続けるもの、たまらなく魅力的なものが、戸外にはある。

 また、前方を歩いているご夫婦を見つけると、「どこに行くんだろうね?」と声が上がった。
 保育者が「皆と同じ方に歩いてるから、もしかしてパンダ公園じゃない?!」と答えると、「子どもがいないから…それはきっと違うよ!」と返された。

 何という洞察力。子どもたちの思考力の育ちを、こんな所でも感じる。

 宮上小の横を曲がると、すぐに「先生!蝉がいる!」と興奮気味に声が上がった。その声がする度に皆で足を止め、時には引き返し眺める。

 「蝉はどうやって(木の)上に行ったんだろう」とつぶやく子や、その声を聞いて木を登ってみようとする子もいた。

 蝉と言ってもそれは抜け殻のことなのだが、子どもたちの視野が段々と広がり、ついに大きな発見をした。蝉の抜け殻は、葉っぱの裏にくっついていることが多いことに気づいたのだ。さらには、一枚の裏に、いくつもの抜け殻が付いているものもある。

 先日、保育室に蝉(の抜け殻)のすみかを作ったが、戸外で、本当のすみかを見つけた。仲間と一緒に探索・発見・思考・共感を繰り返しながら、片道20分の道のりを、蚊と戦いながら40分をかけて歩いた散歩だった。

 帰りは「(立ち)止まっちゃうと、蚊が来るもんね!」と、往路で学んだことを伝え合いながら歩いて行った。

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