トントントン

 久しぶりのこいち先生の造形活動。今日は、細い角柱や板をノコギリで切り始めこいち先生。早速関心を持った子が集まってきた。

 こいち先生と子どもたちの手によって木片がどんどんと切り出されていく。正方形の板の上に立方体を重ね、テラスの上に並んでいく様子を見るだけでもワクワクする。こいち先生には、何か計画があるようだ。

 こいち先生がこれに電動ドライバーで穴を開けると、子どもたちがこの穴に釘を差し込み、トンカチで打って2つの木片を繋いでいく。打ち込んだ釘の頭を触ってみるとまだ少し出っぱっている。それを平らにする方法をこいち先生は教えてくれた。

 「目を閉じて両側を触ってみるとどっちが丸いか分かるよ。」

 トンカチの釘に当たる部分を触ってみると、一方だけが少し凸状に丸みを帯びている。私は、このことを知らなかった。私も確かめたくなり順番を待った。「・・・本当だ!」トンカチには平らな面と丸い面あった。その丸く出っ張りのある面で最後に打ち上げていくと、釘の頭が完全に木の中に埋まる。子どもたちが、どちらが丸い面かを確かめながら打ち込んでいくと、それをチェックしたこいち先生から「合格!!」との声が上がった。

 木を繋ぐ作業は全て終わったが、もっと釘を打ちたいという欲求は加速していく。こいち先生は子どもたちに木を渡し、釘を自由に打てるように用意してくれた。トントンと鳴り響く音につられて、「何やってるのー?」と子どもたちが引き寄せられてきた。

 1本目はこいち先生に打ち方を教えてもらいながら、慎重に打っていくが、コツを掴んでいくと、次の釘を求めて手が伸びる。木片が釘で埋め尽くされている子もいれば、1本の釘を曲がらないように修正しながら慎重に打ち込んでいる子もいたり、釘を虫の足に見立てている子いる。ここにも個性が溢れていた。

 うみぐみの子もやってきたので、さすがに釘打ちは難しいかなと迷っていると、こいち先生は「じゃぁこいっちゃんと一緒にやってみよう。」と声をかけた。

 真剣な目で釘を見つめ、狙いを定めて打ち込んでいくと、ちゃんと釘が入っていく。夢中になる姿を見て、やりたいという気持ちに寄り添う大切さを改めて感じた。

 造形活動の後、環境を整えるために衝立を動かしているとその板の一部が外れてしまった。その場に居合わせた子に、覚えたての釘打ちの技を活かして打ってもらった。

 特別に思えた経験が日常生活と繋がっていく瞬間だった。

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