鯉のぼりと共に

 今年もついに、現れた。

 悠々自適に園庭を泳ぎ回る、10匹以上の鯉のぼり。色も大きさも様々な鯉たちが、太いロープでひとつになる。

 私はこの鯉のぼりを見るたび、「なんて『せいび』らしいのだろう…」と思う。従来の型にははまらず、一人ひとりの個性があらわになりながら認められ、どこかではひとつになっている。

 園庭に出るとすぐに、愛真ちゃんが興奮気味に、鯉のぼりに駆け寄った。毎年恒例、保育者の予想通りの姿。

 子どもたちが手を伸ばせば届く、一番大きな鯉の尾びれは、たちまち子どもたちの餌食となり、タッチをされたり、引っ張られたりする。これも、保育者の予想通り。

 すると、後からやって来た悠翔くんに対し、「触っちゃいけないんだよ!」と愛真ちゃんが注意をし始めた。自分も先程まで、しっかりと触っていたのだが…鯉のぼりを触りたい子と、壊れないように触ってはいけないと注意する子の間で、思いのぶつけ合いが始まる。これもまた、保育者の予想通り。

 でも、毎年恒例のこのぶつかり合いは、『壊れないように気を付けて、優しく触ってみる』という答えを見つけられると、不思議なほど簡単に、終息していく。
 せいびの七不思議のひとつかもしれない。

 園庭の隅では、温度計を背にしている彩奈ちゃんに、「彩ちゃん、何センチ?」と尋ねられた。

 「ん…25センチかな?!」と、答えに少し迷った保育者。

 でも、子どもたちが健康に大きくなるよう願って飾られた鯉のぼりを見ながら、彩奈ちゃんの中には「自分はどれくらい大きくなったのか」という疑問が湧いたのかもしれないと思った。

 その後は、絵の具遊びをして自分たちでも鯉のぼりを作ってみたり、4月生まれの誕生会をしたりした。

 クラスで1番初めに4歳となった大鳳くん。今日の誕生会は、いつもより少しうみぐみさんが少なかったが、あおぞらさんにも祝ってもらえる、特別な会となった。

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