カブトムシvs毒毛虫
今日は、あおぞらの子どもたちと散歩に出かけることにした。行き先を話し合ったが、たくさんの候補が挙がったため、あみだくじで内裏谷戸公園で遊ぶことに決定した。
遊具のある広場で遊んだ後は、山道を探検しながら、テニスコート側の広場に移動した。
草花がたくさん咲いている広場には、バッタがたくさんいて、多くの子どもたちがしゃがみこんでバッタ探しに勤しんでいた。

保育者も一緒にバッタを探していると、公園の隅で子どもたちが輪になって何かを覗き込んでいた。その視線の先には見たこともない毛虫が、子どもたちから逃げようと必死になって地を這っている。
保育者「わ。なんだろうこの毛虫。初めて見た。」
孝太「うん。初めて見た。ツノみたいなのが生えてる。」
尚「毛だらけだしね。これ絶対毒持ってるよね。」
子ども「持ってる持ってる。」「毒針だね、これは。」
子ども「みんな!下がって下がって!」「近くに行ったら刺されるよ!」「危険だ!」

”毒”と聞いて、さっと毛虫から距離をとる子どもたち。すると、毛虫の近くにたまたまバッタが飛んできた。
子ども「あ、バッタ!」「多分(毒毛虫と)戦いに来たんだ!」
孝太「バッタと毒毛虫、戦わせよう!」
日和「やめなよ、バッタ可哀想じゃん。」
保育者「無理に戦わせるのはちょっと可哀想かもね。でも、本当に戦ったらどっちが強いんだろう?」
光義「毛虫!毒持ってるし。」
孝太「でもカブトムシだったら、カブトムシの方が強いよね。カブトムシってすごい力持ちだしさ。」
子ども「あー確かに。」「カブトムシ強いよね〜。」「体も硬いしね。」
保育者「でも毛虫には毒があるよ?」
子ども「…。」
柊介「毛虫の方が強いかも。毒だから死んじゃうし。」
日和「でもやっぱりカブトムシの方が強いと思う。だって体硬いから、毒針が刺さんないよきっと。」

たまたま見つけた毛虫から巻き起こったカブトムシvs毒毛虫論争。
結論は、カブトムシ派と毒毛虫派で半分に割れた。1つにまとまることはなかったが、各々の考えを互いに交わし、子どもたちなりに答えを見つけようとする姿に、子どもたちの育ちとたくましさを感じた保育者だった。