秘密基地

 今日も雲ひとつない晴天。日中は、日差しが強すぎるほどだった。明日からは、少し天気が崩れそうなので、今日は散歩に出かけようと思っていたのだが、子どもたちにも聞いてみると「えーお庭がいい。」と、乗り気じゃない様子。この暑さもあるので、あまり外で駆け回る気分にはなれなかったのかもしれない。子どもたちの希望通り、今日は園庭で遊ぶことにした。

 園庭に出ると、水遊びやテラス、砂場など日陰の涼しい場所で遊ぶ姿が多かった。

 誠君と言葉ちゃん、そして他クラスの奏音君がいそいそとどんぐり砦の上にレジャーシートやブロックを運び込んでいた。聞くと、「今ね秘密基地作ってるの。」と教えてくれた。

 秘密基地といえば、保育者も子どもの頃よく公園で近所の友だちと一緒に作って遊んでいたことを思い出した。公園にあった廃材の木の板やトタン板で屋根と壁を作り、わざわざ家からレジャーシートとお菓子を持参して、その中で食べるのがとても楽しかった記憶がある。公共の場であるけれど、この空間だけは、自分たちだけの場所なのだという特別感がとても嬉しかった。

 ワクワクしながら基地を作っている誠君たちに、幼い頃の自分を重ねながら、保育者も特別に基地にお邪魔させてもらった。

 基地の中は土足厳禁。そして脱帽。帽子を掛けておく場所もちゃんと決まっている。現実の世界のルールやマナーを、しっかりと取り入れていることに感心する。

 保育者専用の入り口と、子ども専用の入り口も分かれていて、子ども専用の方には、他の子どもたちが簡単に入ってこられないように、マットを使ってちょっとした仕掛けを作っている。この仕掛けがより秘密基地っぽさを演出し、高揚感を増しているようだ。レジャーシートでソファを作ったり、ウレタン積木をテーブルに見立てたり、生活に必要なものも揃っている。

 食料は砦の裏に生えているどんぐりの木の葉っぱや花をフルーツに見立てている。園庭でいくらでも調達できるので、どんなに食べても食糧難にはならないらしい。

 大まかに配役も決まっているようで、誠君はこの基地の隊長、奏音君は敵から基地を守る騎士、言葉ちゃんは副隊長。保育者は武器を守る番人に任命された。

 現実と空想の世界を織り交ぜながら展開されていくこのごっこ遊びに、保育者もいつの間にか童心に帰って夢中になっていた。久しぶりに体感したごっこ遊びの楽しさだった。

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