難しくて楽しい

 朝から青空が広がり、蒸し暑くなるという予報。散歩予定だったが、幼児クラスはおにぎりの日なので、ここぞとばかり、久しぶりに園庭で遊ぶことにした。

 散歩先を子どもたちが選択するようになってからは、朝おやつ前に集まり、天気や欠席の子の確認、今日の活動についての簡単な話をする時間を設けている。今日は、全員で園庭に出るので、集まらなくてもいいかなという思いが頭をよぎったが、いつも通り一度集まることにした。

 短時間ではあるが、日々繰り返す中で、天気について興味を持ったり、数を自然に覚えていくきっかけになっていくだろう。そして、自分がこれから何をするのかを保育者から話を聞くことにより、その子なりに期待感を抱き、散歩先等を選ぶ等、自分の思いを表現する経験を積んでいくことになる。こうした機会を大切にしたい。

 中には、近くで遊び続けている子もいるが、興味のある話になると、手を止めて聞き入る姿もある。

 今日は、『私のワンピース』の絵本の読み聞かせから始まった。色々な素敵なワンピースが出来上がっていくお話を、真剣に見つめていた。読み終わり、ワンピースの色と同じ絵の具を見せながら、何色?と質問されると、「ピンク!」「あお!」等、すぐに色の名前を口にしていた。

 「今日は、園庭で色水を作って遊ぼうか」との言葉に、「うん!」「ピンク好きだから、ピンクの色水作る!」「きれいな色作る!」等々、喜びを笑顔で表していた子どもたち。その笑顔に、ワクワクとした期待感を感じた。

 園庭に出ると、いつもは色々な場所へ走って散っていく子どもたちだが、アトリエ前のデッキで色水遊びの環境を作る保育者の近くで待ったり、中には一緒に板を運ぼうとする子もいて、色水遊びに必要なものがわかっていることに感心した。

 テーブルが出来上がり、ペットボトルや絵の具、コップ、お皿等の道具が並ぶと、色々な大きさや形のペットボトルから一本選ぶ。水を入れに走る子や希望の色の絵の具を入れて欲しいと伝える子、それぞれがイメージを持って、自分のやりたい方法で遊び始めた。

久しぶりの色水遊びだったが、道具の使い方、色水の作り方をしっかり覚えている子が多かったと感じる。そして、テーブルは、あっという間に子どもたちで埋め尽くされていた。

 一緒に遊ぶうちに、あることに気づいた。ペットボトルで作った色水を『コップやお皿に移す』ことは、以前からよくしていたが、その反対に『コップやお皿からペットボトルに移す』ことに夢中になる姿が多かったのだ。きっと『少し難しいこと』が楽しいのだろう。

 ペットボトルの小さい口に入れるのは、かなり難しいと思うのだが、絶妙の傾け方で流れ落ちる水の量を調整して、ほとんどこぼさずに移し替える子もいて、感心しながら保育者みんなで見守った。沢山こぼしていた子も、繰り返すうちにだんだんとペットボトルに入る水量が増えていった。

 絵の具や水の分量によって、同じ色でも微妙に違いが出る。「みて!きれいだよ!」「ほら!」等、子ども同士で伝え合いながら遊ぶ姿や、真剣な表情で一言も発さずに黙々と遊ぶ姿も見られた。自分で作り出すさまざまな色合いに面白さを感じていたようだ。

 最近は散歩に出ることが多かったが、手指や腕を器用に細かく動かせるようになっていることを実感した。そして、もうすぐやってくるであろう梅雨の時期に向けて、指先を使う遊び環境を整えようと考えているのだが、そこにも『少し難しい』内容も用意してみようと思う保育者だった。

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