これもダンゴムシ?

 「ダンゴムシの餌をもらいに行く人いますか?」

 保育者の問いかけに、「行く行く」と子どもたちが集まってきた。最近は2、3人でもらいに行くことが多かったのだが、今日はなんと7人もいる。ダンゴムシの人気は衰え知らずだ。

 給食室では、いつもより多い人数でも、ちゃんと7人分の餌を用意してくれた。今日はニンジンと葉野菜の芯だ。全員が野菜の切れ端を受け取り、小さな手でしっかりと持っている。「何をもらったの?」という保育者の問いかけに、「ニンジン」と返事をする子もいるが、「これ何?」という声も聞こえる。なんの野菜の芯だろう?

 するとすかさず、給食室から「これだよ。チンゲンサイだよ。」と実物が現れた。子どもたちの注目が集まる中、包丁で半分に切り、切断面も見せてくれた。

 自分たちが持っているものと、目の前にある野菜を見比べて、これが一体どの部分なのかを考えているようだ。保育者が、「ここだね」と指さすと、「ふーん」とわかっているのかいないのか。とりあえず、持っているものが、チンゲンサイだということは理解できたようだ。

 ダンゴムシの飼育を通して、給食室との交流が深まり、こんな風にさりげなく野菜を見せてもらう。日常の中でのこんな繰り返しから、子どもたちはいつの間にか学んでいくのだろう。

 部屋に戻って、ダンゴムシの飼育ケースを出すと、昨日入れたニンジンが穴だらけになっている。「穴あいてる」「ダンゴムシ食べた」確かにダンゴムシが生きていて、自分たちが与えたニンジンを食べていることを確認することができた。「これもあげよう」ともらってきたニンジンとチンゲンサイを飼育ケースに入れた。

 パンダ公園へ行くグループは、偶然にもダンゴムシの餌をもらいに行った子が多かった。公園までの道のりはダンゴムシやアリ、綺麗な花を見つけては捕まえたり、友だちや保育者に伝えたりしていつも通りに歩く。でも今日は、いつもよりダンゴムシがよく見つかるようだ。すっかりダンゴムシ採り名人だ。中にはダンゴムシを握りしめながら歩く子もいる。

 「大変だ!」「ダンゴムシがいっぱいいる」と公園の奥へと走って行った子どもたちが大騒ぎしている。どうしたのかと駆け寄ると、地面いっぱいに黒くて丸いものが落ちている。「先生、いっぱいいるよ。ダンゴムシだよ。」と興奮気味。「本当だね。いっぱいある。これ、ダンゴムシかな?」と保育者が問いかけると、恐る恐る指先で触れている。

 さっきまでは、平気でダンゴムシを握りしめて歩いていたのに、こんなにたくさんのダンゴムシはちょっと怖いようだ。チョンチョンと触れてみても、全く動く気配がない。なんだがおかしいぞ、と気づいたようだ。キョロキョロと周りを見ている。「これ、なんだ?」「ダンゴムシだよ」とそれぞれ思っていることを言葉にして伝え合っている。

 一人がふと上を向いた。「あっ、先生、上!」頭上には桜の葉が大きく広がっている。そう、これはダンゴムシではなく、桜の実なのだった。「どれどれ」と保育者も上を見る。「本当だね。葉っぱのところに丸いのがついてるね」という保育者の言葉にみんなで上を見上げる。「そうかー」と納得する子もいるが、それをまだ「ダンゴムシだよ」と主張する子もいる。それぞれの思いを抱いたまま、桜の実を拾い、大切に持ち帰ったのだった。

 陽だまり公園や遊んだグループは花を摘み、電車になりながら公園へ向かった。公園ではブランコをして遊んだ。園庭では水遊びやかけっこをして身体を動かした。

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