虫を運ぶ蟻

 昨日の豪雨と共に梅雨入りした関東だが、今日は雨も上がり、散歩に出かけることができた。

 バッタ公園チームには、彩奈ちゃん、リオネルくんのお母さんの参観があったのだが、手を繋ぎたくて、どの子もお母さんの周りに集まるといった、いつもよりちょっと特別な散歩となった。

 もうすぐバッタ公園というところで、「トイレ〜」という子がいたので、東谷公園のトイレを借りた。トイレにいかない子は、道の傍にあったベンチや石の椅子がある憩いの場のようなところで遊びながら待っていた。

 旺來くんが虫を探していたので、保育者も一緒に屈んでいると、一匹の蟻が、自分の体より大きい虫を運んでいるのを見つけた。

 保育者「おうちゃん、見て!ありさんが虫を運んでいるよ。」

 旺來「ほんとだ!なんの虫かな?カメムシかな?」

 虫はひっくり返っていてなんの虫かはわからなかったが、その腹や足を見て予想していた。その気になれば、ありから虫を奪い取って確認する事もできたと思うのだが、旺來くんはありの動きにも興味を持ち、そっとその様子を見守っていた。

 旺來「どこにいくのかな。」

 保育者「おうちに運んでいくのかな。」

 旺來「こっちに穴があるよ。」

 石の椅子と地面との接着面にできている穴を指さした。蟻は本当にその穴の方に向かって進んでいるように見える。その姿を見ながら「大きすぎて入るかな〜。」と、蟻の巣の穴と虫のサイズを見比べて、言葉を発した旺來くん。自分なりに予想をしている姿に感心した。

 穴に到着した蟻は、一旦虫を置くと、穴の中に入っていった。運ぶのを諦めたのか、大きすぎて入らないのか、そんな話をしながら待っていると、旺來くんが穴に向かって「仲間〜!」と呼びかけた。

 仲間を呼びにいったと予想をしているらしい。

 しばらくすると、さっきの蟻らしき一匹が穴から這い出てきて、後ろから押すように獲物を移動し始めた。一匹なのかと思ってよく見ると、穴の中から1,2匹が引っ張っているように見えた。その様子を、旺來くんも食い入るように見つめている。

 するとそこへ、友だちがやって来て蟻の巣を蹴散らしてしまった。

 「あー、やめてよー!おーちゃん見てたのに!」と逃げた友だちを追いながら訴えていた。憤慨し興奮している時でも、きちんと自分の思いを言葉で伝えている姿に成長を感じた。

 残念だけれど、蟻の巣の穴は塞がってしまったので、もう、おしまいだなと思っていると、旺來くんの一歩後ろで同じように蟻を観察していた空璃ちゃんが、何と持っていたシロツメクサを見せながら、「これで掘ればいい。」と教えてくれたのだ。

 感動を覚えた保育者は、「それいいね。いい考え!」と共感すると、空璃ちゃんも嬉しそうにシロツメクサの茎の部分で、巣があったであろうあたりを掘り起こそうとしていた。その姿を見て、旺來くんも草の茎を探してきて一緒に巣の穴を探していた。

 残念ながら穴を見つけることができず、その後、どのようにして蟻が虫を巣の中に運び入れたのかを観察することは叶わなかったが、予想や期待を持ったり、アイデアを共有している姿に3歳児の育ちを感じた。

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