やってみると分かること

 「先生。今日のお当番は誰?」

 しろぐみには「当番」がある。その日の当番は、「今日、どんなことをして遊びたいか」を発表する。みんなに発表してもいいし、保育者に耳打ちしてもいい。元々は、子どもたちの興味を探るために始めたのだが、自分が当番だと知ると「よっしゃー」と声を上げるところをみると、その特別感を楽しみにしているようだ。

 依千「しっぽ取りと、だるまさんがころんだと、鬼ごっこ。」

 今日の当番の依千ちゃんがそう言うと、みんな「ああ。」と何かを思い出した様子。

 実は今、しろぐみでは、外の日に向けて計画を立てている真っ最中。前回の話し合いでは、「しっぽ取り」「だるまさんがころんだ」「鬼ごっこ」を10分ずつ遊ぶという案が出たところで終わっていて、依千ちゃんは、ちゃんとそれを覚えていたようだ。せっかくの外の日の話題になったので、「しっぽ取り」「だるまさんがころんだ」「鬼ごっこ」をみんなで遊んでみようと提案してみた。

 全力でしっぽを追う子どもたち。

 戻って来るなり、「はあ、はあ、10分はきついかも。」と倒れ込む。

 「あとさ、しっぽ取られた人が鬼にになるのか、抜けるのか、ルールが分かんなかった。」

 「途中でぶつかっちゃったよ。本番はぶつからないようにしなくちゃね。」

 少しずつ何を考えればいいのかが見えてきた。

 子どもたちが疲れているのをみて、「今日はここまでにする?」と声をかけるが、「いやいや。だるまさんがころんだやるよ。」と、今度は室内でだるまさんがころんだが始まった。

 「これは10分が丁度いい。」

 「お家の人ともできそう。」

 最後は鬼ごっこ。再び園庭に出て走り回る。そして10分後。

 「もー無理!」

 「っていうか、しっぽ取りと、鬼ごっこってほとんど同じじゃない?」

 「どっちか一つにしてもいいじゃないかな。」

 「長すぎるよ」

 「やってみたらめっちゃ疲れた。こんなに疲れるなんて知らなかったね。」

 「やってみると色々分かるんだなあ。」

 どうしたら上手くいくか、これをしたら何が起きるか…大人はあらかた想像がつくので、この3種目を連続で30分続ければ、バテてしまうことは想定済み。しかしそれも、たくさんの失敗とそこそこの成功から学んできたもの。

 子どもたちは今、その真っ最中。

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