アヒルになって
今日は、かぜグループの保育者たちの中で、ある計画を立てていた。それは、うみぐみとあかぐみが、子育てひろば「いずみ」に、てるてる坊主を飾りに行くという計画。
今日の「いずみ」では、ちょっとしたイベントが開かれていた。新鮮な野菜・パン・クッキーが販売されていたり、編み物教室が開かれていたり…そこへ、先日クラスで作った大小様々な、てるてる坊主を、少しお裾分けに行く。
外はあいにくの雨。
保育者たちは、お散歩用のカッパと長靴を引っ張り出し、玄関に並べた。
カッパのフードはアヒルの顔になっていて、こんなにも似合うものかと思うほど、子どもたちはそれを着こなしている。
すると、旺來くんが「可愛いねぇ」と声に出した。
近くに鏡はなかったから、カッパを身にまとった仲間の姿を目にして、そう言ったのだろうか。
一人が言葉にすると、みんなが「〇〇くんも、可愛いねぇ」などと言い合って、笑顔が増えていった。
私も、他者に感じた素敵だなという思いは、素直に言葉に出して伝えていこうと、旺來くんの姿を見て思った。



「いずみ」では、副園長先生が出迎えてくれた。てるてる坊主を作ったことを伝えると、一人ひとり「いずみ」の看板にそれを飾り付けていった。
そこに参加していた地域の方々は、店番などで忙しそうで、今日は交流らしい交流は出来なかったが、「自分の身の回りにはこんな人がいる」「こんな営みもある」ことを感じる機会が定期的に持てたらいいなともう。それがいつか、郷土愛に繋がるような気がした。






副園長先生に別れを告げ、旺來くんの「これ(カッパ)があれば、雨降っててもお散歩出来るんじゃない?」という気付きと共に、来た道とは反対に向かって、少し遠回りをして園に戻った。
そこで彩奈ちゃんが「先生!葉っぱの上に丸がある!!」と、雨の雫を指さした。すると今度は芙優ちゃんが「あっちにも丸、あるよ!」と、マンションに壁付けされた室外機を指して教えてくれた。
雨が降ったからこそ見られる景色、気付けることもある。またアヒルになって、散歩に出たい。