虫眼鏡

 最近の子どもたちの流行りは虫眼鏡。

 虫や草花などの観察に興味を示している子もいるが、誰か一人が持っていると、「僕も」「私も」試してみたくなったり、また、限りのある特別な道具を手にしたいという思いも感じる。そして、使い方もまだよくわからないまま、見よう見まねで虫眼鏡を覗き込む。

 虫や草花に直接当てたり、自分の目に当てたり、中には、本来とはまったく違う使い方で楽しんでいる子もいる。

 しかし、「虫眼鏡はこうやって使うんだよ。」と、すぐには教えないようにしている。子ども自身がその道具をいじりながら、探ったり、試したり、そして発見したりすることを、味わって欲しいからである。

 もちろん「どうやって使うの?」と聞かれたら伝えるつもりなのだが、なぜか聞いてくる子はいない。隣で保育者が使ってみたり、「ねー、見て!」と一緒に覗き込んだりと、何かきっかけを作ってさえいけば、自分たちの力でわかっていくと思うからである。

 今日も、大きくなってきた山桃の実を拾ってきて、虫眼鏡で覗きながら「ねー、見て。面白いよ!」というと、数名が山桃に虫眼鏡を向けていた。

 「ほんとだ〜、つぶつぶしてるー!」と、虫眼鏡の距離をうまく調整しながら観察できている子もいた。その他にも、ダンゴムシやシロツメクサ、自分の手や保育者の目に虫眼鏡を向けてながら、覗き込んでいる姿があった。

 こんな風に実際に手にしながら、他児の様子を見たり、試したりしていくうちに、拡大されて見えることに気づいていくはずだ。驚きと共にそれを知って、この道具の働きを満喫してしまうと、興味の第一段階が終わっていくことが多い。次は、この道具を使うことで、さらに別の新しい発見をしていくという楽しさが待っているはず。それはまだ、もう少し先のことなのかもしれないが。

 

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