滑り台!

 「今日は何して遊ぼうか」と、散歩の出発前に、子どもたちに質問した。「滑り台!」「滑り台の公園行く」「ロケット滑り台に行く」などなど、「滑り台」という言葉が飛び交う。久しぶりの内裏谷戸公園で、滑り台で遊ぶことを楽しみにしているようだ。

 「暑いから、滑り台も熱くなっているかもね」という保育者の言葉を聞いて、残念そうに顔を歪めながら、「熱かったらできないね」「滑れなくなっちゃうね」と心配そうに呟くが、「もしも熱かったら、違うことして遊ぼう」と話をして出発した。

 園を出るとすぐに黄色や白の花が咲いていることに心が奪われ、花摘みが始まった。それぞれ、自分の好きな花を摘み、大切そうに持つ子もいれば、保育者にプレゼントしてくれたり、友だちと交換している子もいる。

 花を美しさをじっくりと味わったり、保育者や友だちにそれを知らせ、共有したいという自然な気持ちが行動になっているのだ。その行動から、感動を一緒に味わいつつ公園へと向かった。

 すぐに滑り台へと走っていく子どもたち。恐る恐る滑り台の斜面に触れている。出発前の話を覚えていて、「暑いかもしれない」と予想しながら、慎重に指先を伸ばしている。

 一番に触った子が、「熱くない」と言葉にすると、周りの子どもたちも安心したように、ベタベタと滑り台を触り始める。それぞれが熱さを確認してから滑り台に登り始めた。子どもたちの行動を見ていると、大人が思っている以上に慎重で、しっかりと考えているのだと気づかされる。

 もう一つの滑り台も大人気だ。我先にと押し合いながら滑っていく。だが、いつまでもただ滑っているのではない。少しずつ、遊び方が変化している。

 滑り口の上にあるバーに捕まってぶら下がり、高さを感じ、スリルを味わいながらゆらゆらとしてから滑る子。斜面の上から小石を落とし、小石がカンカンと音を立てて落ちていく様を観察する子などなど、自分なりに新しい遊びを次々と試している。そして、興味を持ったことは何度も繰り返す。

 朔くんが滑り台の降り口に砂利を乗せて遊んでいた。上から「おーい、汚くて滑れないよー」と声がする。「わかった!」と急いで砂利を手で払う。上から「ありがとう」の声と共に滑り降りてくる友だち。するとまた降り口に砂利を乗せる。そしてまた、同じやりとりが行われる。

 これを見ていた他の子どもたちも一緒に砂利を乗せる。同じ会話をした後、急いで砂利を払う。それはもはや、砂利を乗せることよりも、友だちとの言葉のやりとりが楽しいのだ。下で待ち受ける子どもたちも、上から滑ろうとする子も、同じセリフを決まったように言いながら遊んでいる。こんな風に友だちと関わる、もう一つの遊びを見つけたのだ。

 滑り台といっても、それはただ滑るだけの遊具ではない。様々な遊び方があるのだと子どもたちに教えられる。公園にはジャングルジムや砂場など様々な遊具があるが、通り一遍の発想を超えた楽しみ方を、子どもたちと一緒に探っていきたいと思った。

 うずまき公園では蝶やカマキリを追いかけて遊んだ。暑い中、走って追いかけた甲斐あって、捕まえることができた。じっくりと観察して嬉しそうな子どもたちだった。

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