みんな正解

 来週の水曜日(29日)に、みんなで「おにぎり」を作る。そこで、給食の先生と話し合い、ふりかけも自家製のものを作ろうということになった。鰹節、ゴマなどに加え、子どもたちの好きなものを一つ入れることになったのだが、子どもたちから出てくる案は「たまご」「ウィンナー」「たらこ」「シャケ」など、具としては美味しいが、ふりかけにするには難しい食材ばかり。どのように伝えていいものか悩んだが、いい表現を思いついた。

 保育者「カラカラに乾いてたり、カリカリしたものがふりかけにしやすいんだよ。」

 子ども「ああ、そう言うことね。」

 やっとふりかけのイメージが伝わると、ようやく「わかめの乾いたやつ!」「昆布もカラカラだよね」「しらす(じゃこ)もカリカリ」とアイデアが出てきた。

 柚希「わかめって最初はカリカリなんだけど、水に入れるとわかめに戻るんだよ。うちはお味噌汁に入ってる。」

 隼「しらすはお家で出るよ。隼くん好きなんだ。」

 段々と、ふりかけの話から「我が家の食卓」の話題へと脱線していった。ふりかけの時よりも数倍の思いを込め、みなが熱弁を振るうので、聞き手は保育者一人。あっという間に理解できる情報量を超え、「わかったわかった。じゃあ、ふりかけの中身はこれでいいのかな」と話を元に戻す。

 これははよくあることで、子どもたちは我が家が大好きで、それを他の人にも知ってもらいたいのだ。

 しろぐみの朝の会が終わった後、他クラスの子がしろぐみの畑にきゅうりがなっていることを教えてくれた。「しろぐみ、きゅうりが食べられるらしい。」「畑に急げ。」「食べられるらしいぞ。」とあっという間に情報がまわり、保育者が畑に着く頃には、しろぐみのほとんどの子が集まっていた。

 担任に似たのか食いしん坊のしろぐみ。「それどうするの?」「それ食べよ。」「今食べよ。」

 きゅうりはすぐには食べられず、消毒液にしばらく浸さなければいけない。その待ち時間でのこと。なにやら言い合いが起きていた。

 日和「だから!12人だってば!」

 実蒼「だから、7人だって!」

 尚「しろぐみ15人でしょ?」

 依千「6人だよ。」

 尚「8人だよ。」

 どうやらきゅうりを食べる人数でもめているらしい。みんなの主張を聞いているうちに、その詳細が分かってきた。

 日和「おやすみがいるから12人なの。(しろぐみ15人。本日の休み3人)」

 実蒼「とりさんは7人。(しろぐみのとりは7人)」

 依千「とりは7人だけど、明希くんがお休みだよ。(今日の登園しているとりは6人)」

 尚「あおぞらさんは8人。(しろぐみのあおぞらは8人)」

 みんな興奮しているので、数字の部分しか聞いていないらしい。一度話を止め、それぞれ数えているものが違うこと、数えるているものが違うだけで、実は全員が合っていることを伝えた。すると、子どもたちは驚いてすぐに冷静になった。

 実蒼「ああ、みんなでってことね。」

 日和「とりさんの人数ってことか。」

 あれだけ言い合っていたので、みな少し気不味そうにしていたが、最後に日和ちゃんが一言。

 日和「みんな言ってること違うのに、みんな正解って面白い!」

 同じしろぐみでも、数える範囲が変わると人数が変わる。説明すると何だか難しいがそれを「面白い」と表現した日和ちゃん。こういうことを面白いと思えるのが、この時期の子どもたちの「知性」なのだと思う。 

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