鳴り響く太鼓

 せいび祭りが近くなっていることもあり、園内では少しずつ準備が始まっている。お祭りといえば太鼓!とうことで、一足早く、太鼓に触れる機会を作った。

 何が出てくるのかは知らせず、まずはバチが入った袋を揺らし、バチ同士がぶつかる音を聞かせてみた。

 「なんだろう〜。」「カラカラいってる。」「棒みたいなのが入ってるのー?」

 と、すぐにはバチだということが分からない様子。今度は袋の上から順番に触っていく。

 「木の棒だ!!」「たくさん入ってる!」と手の感触を頼りに想像を膨らませていると、泰地くんが「これ太鼓を叩くやつじゃない?」ものすごい直感力を見せつける。

 袋から取り出して見せると、「やっぱり木の棒だ!」と、声が上がった。

 そして改めて「これは何に使うものでしょう?」と問いかけてみると、「太鼓を叩くやつ!」との答えが飛び交う中、「リレーの時に渡すやつ!」とバトンだと推測する子も。

 「では、今からこのバトンを使ってリレーをします!」保育者も悪ノリをすると、「え?こんなに暑いのに?」「外に出て走るの?」と動揺する声が聞こえてきた。しまいには、「やだ!!絶対にやりたくない!!」という声まで。そこでようやく、「これはバチといって、太鼓を叩く道具なんだよ。」と伝えた。

 今日の主役でもある太鼓が室内に運ばれると、我先にと手で太鼓を叩いてみる子どもたち。保育者は、子どもたちの逸る気持ちを一旦抑え、叩くときに注意するポイントを伝えた後に、バチを1本ずつ渡していった。

 5人ひと組で、場所を譲り合いながら音を出していくと、試すようにそっと叩いたり、力を入れて大きな音を出したり、縁を叩いてみたり、それも個性的であった。

 そうした中、誠くんが「僕は最後に1人で2本持って叩く!!」「僕は1人で叩くから今はやらない!!」とのこだわりを見せた。

 そして、段々とみんなが別の遊びへと移っていくと、待ってましたとばかりに、2本のバチを使って思い切り叩き始める。言葉ちゃんももそれに加わると、太鼓の音が部屋中に響き渡った。

 待っていた甲斐があった、そんな満足気な顔の誠くんだった。

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