洗濯ごっこ

 物入れにしまってあったナイロンのタオル(お風呂で体を洗う時に使うもの)を見つけて、何か遊びに使えないかと昨日から考えていた。

 今朝、何気なく子どもたちの目の前で広げてみていると、「なにそれ」と興味を示した子が数人集まってきた。「これ、何か知ってる?みんなのうちにあるかな?」という問いかけに、「ある!」「お風呂でゴシゴシするの!」と口々に応える子どもたち。生活の中で使っているものを、もうよくわかっている。

 顔の近くにつけると、縫い目の間から向こう側が透けて見える。保育者が「あれ?大塩先生が見える」と呟くと、「え?そうなの?不思議だね、こっちからはお顔が見えないのに、見えるの?」という大塩先生の声に、保育者と同じようにタオルを目の前に広げて顔をくっつけている。その時だった。

 「なんか、くさいね」と一人が声を上げた。長いことしまってあったナイロンタオルから、なんとも言えない匂いが漂っていたのだ。それを聞いた他の子も、顔を近づけて確かめては「くさい!」と声をあげる。

 保育者や友だちと、状況や思いを共有することが楽しくて仕方ない様子が、いろいろな場面で見られるが、まさにこの時もそうだった。「くさい!」と言っては、ケラケラと笑い、またタオルの匂いを嗅いでは「くさいね!」と伝え合い、見ているこちらも楽しくなってしまう。

 そこで保育者が、「後で、お洗濯したら、いい匂いになるかも」と提案すると、「やる!」と意欲的。袋にしまっておこうと思ったが、保育者の腕をゴシゴシと洗う真似をする子もいて、しばらく遊びが続いていた。生活の中で見かける動きを模倣することがとても楽しそうだ。

 どんな洗濯になるのやらと、楽しみにテラスに出ることにした。

 水遊びの準備をしながら、野菜の水やりもして、大忙しな子どもたち。

 タライに水を溜めている保育者の横で、水遊び用の玩具入れのファスナーを開けて、自分の好きな玩具を取り出すと、思い思いに遊び始めた子どもたち。昨日は初日だったからか、どんな玩具なのかをまず確かめる様子が多かったが、今日は、パッと選びとっているように見えた。

 そんな子どもたちの横で、さっそくタライの水にボディーソープを垂らす保育者に気がついた数名が、水の中に手を入れて動かすと、あっという間に泡が立ち始めた。ぐるぐると腕を回したり、パチャパチャと手のひらで叩くようにしたりと、いろいろな方法でかき混ぜる。

 だんだんと人数が増えていき、もう一つタライを増やして洗濯開始。押したり回したり擦ったりと、思うがままに洗濯する子どもたちの中には、容器を使って泡の水をかけて洗うという斬新な方法を試す子もいた。

 今は洗濯機を使うため、手で洗うということには、あまり馴染みがないかもしれないが、それぞれが水や泡の感触を楽しみながら、それを洗うようにタオルを動かしていた。

 おかげで、洗濯水は、うっすら茶色に!袋に入れてケースにしまっていたのに、こんなに汚れがついていたのかと思った保育者。

 泡を除けながら「ほら、こんなに水が汚い色になったよ。タオルがきれいになったんだね」と子どもたちが確認できるように声をかけ、水を入れ替えると、またジャバジャバとすすぐと、「いいにおい!」とタオルに顔を近づける子もいた。

 きれいになったタオルを干せるように、と洗濯ピンチを子どもの手が届く高さに準備すると、びしょびしょのタオルを干そうとする姿が。保育者の意図を咄嗟に理解する姿には、驚かされることが多い。

 2歳児になると、聴力は大人並みになり、視力もだいぶ伸びてきているという。保育者同士の会話や動きを、興味深く観察しているのだろう。家庭でも、家事をする親の姿をしっかりと見ているのだろうな、とタオルを干す姿から感じるのだった。

 今回は洗濯だったが、いろいろな生活の場面を模倣して遊ぶ環境を整えていったら、どんな姿が見られるだろう。

 玩具で水遊びをしていた子どもたちだが、タオルから流れ落ちる水の動きに夢中になる姿もあった。思う存分水に触れて遊んでいきたいと思う。

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