まんげつぶちゅっとすーぷ

 「ぜったいたべないからね」という絵本がある。好き嫌いが多い妹のローラーに、ごはんを食べてもらいたい兄のチャーリーは、食材に不思議な名前を付けて妹に披露する。「人参も枝豆もトマトも、ぜったいたべないからね」と頑なに拒むローラーに対し、チャーリーは「今日はその食材は全部でないよ」と言って、人参には「えだみかん」、グリンピースには「えだまめみどり」と、それぞれ名前を付けていく。魅力的な名前に食材への興味が湧いたローラーは、大嫌いなトマトを一口食べると、それを「まんげつぶちゅっと」と名付ける。

 みんなでこの絵本を読んだ後なら、もしかしたら不人気な食材も食べてくれるかなと、おやつに「まんげつぶちゅっとすーぷ」を提供した。

 配膳台に置かれたパネルを見て、絵本の内容を思い出すと、「あめだまみどりが入ってた!」「豆じゃないよ、あめだまみどりだから食べてみようよ」「今日はまんげつぶちゅっとすーぷだ!」とスープの中に様々な食材を見つけ出し、会話を弾ませていた。

 この絵本を見つけた時には少し難しく感じて、子どもたちには分かりにくいかなと思ったが、絵本の中の兄と妹のやり取りが、まさに子どもたちの中でも巻き起こっていて、「一口食べてみよう」といった意欲に繋がっているようだった。

 私もチャーリーから、食材の魅力の伝え方を学んだのだった。

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