潜望鏡から広がる景色

 先日、子どもたちと相談しながら潜水艦の潜望鏡を作った。それは、ダンボール箱に穴を開け、ラップの芯を通したもの。小さい穴から見える海はまた新鮮で、子どもたちはこぞって覗いては、「綺麗に見える!」と喜んでいた。しかし、潜望鏡とは、本来は、目の高さとは少し離れた位置の景色が見えるもの。覗いたら見えるはずのない景色が見えたら、それはそれで面白そうだ。
 そこで、保育者が潜望鏡を作れるのか、調べてみた。調べると、微妙な角度や鏡の配置が必要なことがわかった。これは、ある程度形にしてから子どもたちに紹介した方が良さそうだ。
 そう思い、試作品を作ってみた。鏡の位置が少しズレるだけでも見えにくく、細かな調整をして、やっと、子どもたちに紹介できるレベルの物が出来上がった。

 そして今日、子どもたちにその試作品を見せてみた。みんな興味津々。「あ、〇〇ちゃんが見えた。」「海のタコが見えた。」「私にも貸して!」「僕にも!」とあっという間に順番待ちの輪が広がった。大人数で回しながら使っていると、潜望鏡の土台となる牛乳パックがみるみる歪んできて、あっという間に見えなくなる。「ここをしっかり留めなくちゃいけないんだ。」「テープをもう一回貼った方がいいよ。」「さっきより見えるようになったかも。」何度も覗いては微妙な角度や歪みを確認しながら、子どもたちと最終調整をした。

 そして、ついに潜望鏡タイプ2の完成!うん、まずまず良く見える。子どもたちも納得の覗き心地。

 海の壁面の前に潜水艦と、以前に作った潜望鏡タイプ1、そして、今日作った潜望鏡タイプ2を出した。「乗りたーい!」と集まる子どもたち。潜水艦に乗りながら、それぞれの海の世界を広げている。「潜水艦でお茶を飲みたい。」「交代で運転しよう。」「おい、サメが見えたぞ!スピードを上げろ!」「新聞をもらってきたから中で読もう。」「ちょっと海で泳いでくる!」etc…。

 その設定は様々だが、周囲の友だちとイメージを共有し、ごっこあそびを楽しむ姿が多かった。潜望鏡も、タイプ1、タイプ2共に引っ張りだこだったが、うまく譲り合ったり、順番を決めながら楽しんでいた。
 潜望鏡を覗きながら、「先生、もっと魚を作りたいよ。」という声が聞こえた。「想像」と「創造」が溢れてくるのがよく分かる。
 今までは、潜水艦を出さずに海の生物を作る環境を設定していたが、潜水艦や潜望鏡を出して、ごっこ遊びも楽しみながら、製作できる環境を用意してもおもしろそうだ。

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