七夕送り

 今日は七夕送り。元々、七夕送りとは七夕の翌日、七夕飾りを海や川に流す風習のこと。うちの園では短冊を燃やすことで、煙へと形を変えて天の神様に願いが届けることを七夕送りとしている。

 燃えやすいように七夕の笹を切っていると、「あ、コニ(小西)が七夕切ってる!!なんで切っちゃうの?」「切るな!」と怒れるうみやあおぞらたち子どもたちが集まってきた。説明しようとすると、とりの子たちがやってきて、

 侑「あれはさ、焼くために切ってんの。」

 玲音「そうだよ。」

 奏音「そうだよね。煙にすんだよね。」

 と、去年の七夕送りを覚えていたのだろう、そんなの当然という物知り顔で教えている。去年はこの子たちが「七夕切るな!」と怒っていたような気がするが…。

 それを聞いた子たちは「そうだったのか」という驚きを隠しながら、次に来た子たちに、「コニが切ってるのは焼くためなんだよ」と物知り顔で教えている。こうして情報は伝播していく。人が知らないことを自分は知っていて、それを教えるという快感を順番に味わっているようだ。

 笹は小さく切られ、準備が整った。

 保育者「じゃあ、今から七夕送りを始めます。火をつけてお願い事を煙にすることで、天の神様に届けよう。」

 すると、それで思い出したのか、

 子ども「ポケモンがもらえますように。」

 子ども「おもちゃがもらえますように。」

 それはお願いする相手が違うのではと思いながら火をつける。最初は小さかった火が、離れていても熱さを感じるほど一気に燃え上がり、子どもたちは「うわ!」「熱!」「逃げろ!」と歓声を上げる。

 子ども「すごかったな!」

 子ども「ブワ!って熱くなった。」

 子ども「パン!って鳴ったよね。」

 こうして七夕送りは「お願い事」の話題から「炎」の話題へとすっかり変わってしまった。

 蓮己「また火やりたい。」

 きっと来年は彼らが「七夕は燃やすんだぜ」って、みんなに教えてくれるに違いない。

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