ついに上映!!

 5月の終わり頃から、あかぐみで制作していた映画がついに完成した。ホラー映画らしい会場の装飾も終え、当日の役割分担も決まり、準備は万端。 昨日、流れの確認も兼ねて、事務室と給食の先生方を招待して試写会を開催したので、子どもたちも、それぞれの動きは確認済み。

 なんと今日は奇跡的にお休みの子はなく、全員が揃った。

 最初のお客さんたちは、副園長先生、鈴木先生、そしてしろぐみとあおぐみ。その次はうみさん。

 会場の準備も整うと、お客さんを呼びにいく係は孝太君。最初の頃は、少し恥ずかしそうで「こうちゃんは、何もやらない。」と宣言していたのだが、映画の制作が進むうちにだんだんと意欲が湧いてきたようで、最後には出演。お客さんを呼びに行く係は、何と自分から「こうちゃんが行く。」と立候補してくれたのだ。

 お客さんたちが会場に入ると、まずはじめにお化け役(蓮己、理桜子、修介、詩織、椛衣、泰地)と勇者役(清水 誠、楷人、髙瀬 誠)がお客さんたちを脅かすという仕掛け。「いらっしゃいー!」と、机の陰から勢いよく飛び出し、驚くお客さんたちに、理桜子「シャー!」泰地「ガオー!」と、それぞれの役柄を披露していた。

 驚いた客さんたちは、そのままスクリーンの部屋へ移動。そこでポップコーンを配るのが菜美栄ちゃんだ。始まるギリギリまで「あぁ…なんかドキドキするなぁ」「配るとき”まだ食べないでね”って言えば良いんだよね!?」と何度も確認していた菜美栄ちゃんだったが、落ち着いた様子で、一人一人に注意事項を伝えながら、ポップコーンを手渡すことができていた。以前だったら「先生も一緒にやって」と、ギリギリになって手助けを求めていたかもしれないが、立派に役目を果たしている姿に成長を感じたのだった。

 お客さんたちが席につき、準備が整うと、映画の見る際の注意事項をみんなに伝えるのが、司会役の紗英ちゃん、玲音ちゃん、言葉ちゃんの3人。

 紗英「静かにみてください。座ってみてください。」

 玲音「笑っても良いけど騒がないでください。映画の画面には触らないでください。」

 言葉「ポップコーンは、映画が始まってから食べてください。」

 この注意事項も、司会の子どもたちが考えた。その時も、

 「うるさくなると映画の声が聞こえなくなっちゃうから、”静かにみてください”って言った方がいいね。」

 「でも映画面白いから、笑うのはいいことにしよう。」

 「騒いだりふざけたりすると他の人たちに迷惑だから、それも言おう。」

 上映会の雰囲気を想定しながら、その内容を考える姿に、年長児ならではの育ちと頼もしさを感じた。

 お客さんたちが来るギリギリまで、3人で何度も練習する姿に、期待感と共に少し緊張している3人の心情が伝わってきたのだった。

 ホラー映画は大好評。お客さんたちも「あ!誠君だ!」「ボスはヨシなんだー!」と、ポップコーンを食べるのを忘れてしまうほど、映画に夢中になっている姿もあった。上映会後も「先生、ホラー映画すっごく面白かったよ!」「先生、映画で負けてたね〜」と、何人にも声を掛けられた。

 あかぐみは「ここからが面白いんだよね〜」「来るぞ来るぞー!」と、見どころが分かっている。何度も見ているというのに、初めてかのような大爆笑。見れば見るほど、自分たちの映画への愛着が深まっていくようだった。ストーリーからセリフまで、全て自分たちで考えた作品なので、それも当然か。

 他クラスの子どもや職員たちから、「面白かった!」「可愛かった!」と、嬉しい感想と大きな拍手をもらって、満足そうな子どもたち。保育者もついうるっときてしまうほど嬉しくて、大きな達成感を感じたのだった。

 1ヶ月以上かけて、子どもたちと一緒に取り組んできたホラー映画。準備を進めるうちに「今日はホラー映画やらないの?」「早くホラー映画完成しないかなぁ」と、毎日のように声を掛けられるようになっていった。子どもたちの活動に対する意欲や思い入れが増していく姿が、保育者は本当に嬉しくて、その期待に応えたいと、保育者自身もどんどんやる気が湧き上がっていった。

 この取り組みを通して改めて感じたのは、やはりあかぐみにはアイディアマンが多いということ。この発想力を生かして、次はどんなことをして楽しもうかと、これからの活動にも期待感が膨らむ保育者である。

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