気持ちを言葉に

 「今日は何して遊びたい?」と子どもたちに尋ねると、「え〜、お水遊びだよ。」「お水遊びする〜!」との返事が。子どもたちのリクエストに応え、園庭に水遊びができるコーナーを設置することにした。

 水遊びの道具を出すと、「これがいい!」「先生、このピンクの!」とお気に入りを選んで手に取る。

 友だちが持っている水鉄砲を使いたくて、「あれ欲しい。」と保育者に訴えた匡くん。同じものを探したが見当たらなかったため、「あの水鉄砲使いたいんだね。今は使っているみたいだけれど、どうしようか。」と声を掛けると、口を尖らせながら「え〜。」と言って夏音ちゃんを見つめる。
 友だちが使い終わるまで辛抱強く待ち続けて、ついにその水鉄砲を手に入れた。

 「貸してって言ってごらん。」「他のおもちゃで遊ぼう。」「使い終わるのを待っていよう。」という声の掛け方もあったが、あえて「どうしようか。」と尋ねたことで、匡くん自身で決断をしたから、最後まで待つことができたのだと思う。自分自身で考えて行動する経験を大切にしたいと改めて感じた。

 ピッチャーにジョウロで水を入れている朔くん。ピッチャーに溜まっていく水をじっと見つめながら、慎重に入れている。そこへ、友だちがやってきて、朔くんの使っているピッチャーに手を伸ばした。すると、「やめてー!やだー!朔くんがやってるの!一人でやってるの!」と伝える朔くん。
 友だちは少し驚いた様子だったが、すぐに朔くんの横にしゃがみ込み、膝に手を置いた。一人でじっくりと遊びたいことを言葉で伝えた朔くんと、それを聞いて、見るだけだよと行動で示した相手の子。2人の関わりを見て、言葉によるコミュニケーションが上手になってきていることに感心した。

 それから、夢中になって水を溜め、満タンになると、ピッチャーを持ち上げて笑った朔くん。水を一気にジャーっと流し、「キャハハ!」と声をあげ、達成感を味わっていた。

 「ねえ、先生!」と呼ばれて振り返ると、「トカゲ探したいの。」と訴えるハールちゃん。トカゲ探しの名人といえば、かぜさんのお兄さんだ!と思い、「さっき侑くんがトカゲを捕まえていたよ。どうやって捕まえたのか聞いてみる?」と声を掛け、一緒に聞きに行った。

 「侑くん。さっきいたトカゲ、どうやって捕まえたの?」と尋ねると、「あれはね、こうやっている時に…こうやって捕まえたの!」の身振り手振りで教えてくれた。
 その様子を見ていた、かぜグループの奏音くんが「でもさ、晴れてる時にいるんだよ。今はいないかもよ。」と教えてくれた。「じゃあ今日はいないかな?」とハールちゃんに尋ねると、「でも、今日は晴れているから、プールできるかねってママが言ってたよ。」とのこと。
 それを聞いた侑くんと奏音くんは、「じゃあ、一緒に探してあげるよ。」と言ってくれた。

 まず向かったのは玄関前。物の隙間を覗き込んで探したが、そこにトカゲはいなかった。「いつもはいるけれど、今日は晴れてないからいないな。」と言いながら、今後は水道横の壁下を覗き込む。一緒になって覗き込んだハールちゃんは「いない。」と呟いた。
 すると、「あのね、奥にいるんだよ。奥にいるから見えないんだよ。」と奏音くんが教えてくれた。「そう?奥にいるのか。」と納得するハールちゃん。その後もしばらくトカゲを探していたが、見つからず、侑くんが「今日はいないから、また今度探してあげるな!」と声を掛けてくれた。

 トカゲは見つからなくても、お兄さんたちと一緒にトカゲを探せて満足したのか、「また探す!」と笑顔を見せたハールちゃんだった。

 その他にも、けやき砦やどんぐり砦で体を動かしたり、ドリブルをしたり、砂場で泥遊びをしたり、蝶を追いかけたりと、それぞれが好きな遊びをじっくりと楽しんでいた。

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