地域と繋がる

 久しぶりにプール日和となった。子どもたちは朝からうずうずしている様子で、プールの支度も早い。

 ビート板を持って壁を蹴り、蹴伸びを楽しんだり、ワニ泳ぎを楽しんだり、保育者と水を掛け合ったりと楽しんでいた。

 各クラス、プールを順番を待つ合間に、希望者を募って、子育て広場「いずみ」で開催しているサマーフェスタに顔を出してみた。

 「サマーフェスタっていう、お祭りみたいのやってるけど行ってみる?」

 「お祭り」と聞いて、心躍らせ興味を持つ子が集まってきた。外階段を降りていずみに向かうと、土間が開き、幟が見えてきた。

 「あ、なんかやってる!」

 いつもと違ういずみの様子に直ぐに気付くと、気持ちも急ぐ。しかし、いずみの前まで来ると、先ほどまでとは打って変わって借りてきた猫のよう。

 知らない大人がたくさんいて、ここは…、この人たちは…と伺うような子どもたち。

 そんな気持ちを察知したかのように、「さんぽ」の曲が流れてきた。フェスの参加者が、子どもたちが知っている曲をピアノで弾いてくれたのだ。メロディに合わせてウィンドチャイムが入る。なんとも涼やかで綺麗な音だ。

 子どもたちも演奏している方をじっと見ながら、知っている曲に体を揺らしたり、友だち同士顔を見合わせたり、じわじわと近づいていったり、少しずつ笑顔が見えてきた。

 数曲が終わると、「みんなはどんな歌、知ってるかな?パプリカ踊れるかな?」と声をかけてくれた。その頃にはピアノのすぐ横にまで進み出ていた子どもたち。「カエルなら知ってる!」とカエルの歌をリクエスト。

 知っている曲を弾いてもらえるとわかると、「アンパンマン。」「お花の歌(チューリップ)」「シャボン玉」「アイアイ」などの曲をリクエストして、手拍子をしたり、体を揺らしたり、歌ったり、楽しいひとときを過ごした。

 その頃には、お土産で持っていった手作りアイスをプレゼントしたり、地域の方とおしゃべりを楽しんだり、サマーフェスタは楽しい場所となっていた。

 今は、知らない人にはついていかないどころか、知らない人とは話さないと伝えながら子育てをする。寂しく思いながらも、仕方ないことかなとも感じていた。しかし、こんな風に「知らない人」が、「見守ってくれる人」へと変わって、地域全体で子どもたちの育ちを見守ってくれたら、こんなに心強いことはないと感じる。

 こうした経験をした子どもたちが、大人になった時に、今度は自分たちで地域のつながりを作り出そうという思いを持っていけたら、素敵な街になることは間違いないだろう。

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