これやりたい

 今日のうみぐみには、絶対にやらなければならないことがあった。それは、昨日、収穫したきゅうりとトマトを食べること。休日を挟んでしまっては、せっかくの食べ頃を逃してしまう。
 そして、今日の担任には、一つの期待があった。それは、食べやすい大きさに、自分たちで切る。

 クッキングをする際に使える道具セットの中には、包丁・キッチンバサミ・ピーラーがある。そのうちの一つを見せると、「包丁!」と元気な声が返ってきた。しかし、ピーラーの見せた時には、案の定、誰も言葉を発しない。しばらくすると芙優ちゃんが「なんか…剥くやつ!」と言った。ままごと遊びが大好きな芙優ちゃんは、実際の調理の様子も、よく見ているのかもしれない。

 野菜や調理器具への関心が、もっと高くなれば…そんな思いで、保育者はクイズを出した。

 「この道具で皮が剥きやすいのは、どっちの野菜でしょうか?」

 すると、子どもたちの予想は、きゅうり!トマト!どっちも!の3つに分かれたが、きゅうりの皮が剥けていく時の真剣な表情とは打って変わって、トマトの皮の上をピーラーがツルツルと滑る様子には「剥けないじゃーん」と笑いが起きていた。

 そこですかさず、子どもたちに、今日は自分たちで切ってみるのはどうかと提案した。それはやってみたいに決まっている!と言わんばかりに、「やる!」という声が返ってきた。
 子どもたちは、好奇心旺盛だ。そして、大人が思う以上に「やりたがり」。

 ピーラーを使ったきゅうりの皮剥き、包丁を使って輪切りと薄切りを、2回ずつ経験した。これが自信に繋がっている事を期待。

 どの子も切ることにはあんなに熱心だったのに、「愛真ちゃん、トマトもっと食べたい!」「空ちゃんは、絶対きゅうりだけ食べる」「リオは(どっちも)いらない」と、食すことにははっきりと違いが出ることも、また面白い。自分の好みをはっきりと伝えられる姿は、何とも頼もしい。

 その後は、うみぐみの部屋に小道を作り、電気を消して部屋を真っ暗に…。しろぐみさんのおばけ屋敷に招待されてから、ずっと希望のあった、「うみさんも、おばけ屋敷したい!」を実現した。

 「おばけは先生たちがやるね」と伝えると、あかぐみの映画を鑑賞して刺激を受けて作ったヒーロードレスへ、すぐに駆けて行く子がいた。昨日作った禰豆子の竹を「付けて!」という子や、かぜさんのアイス屋さんに刺激を受けて作ったアイスを「これ、お土産にする」と言う子もいた。
 4・5歳児のように、「この日のために」と話し合いや小道具作りを積み上げてきたわけではないが、周囲からたくさんの刺激を受けながら、「自分たちも、これやりたい」が重なり合って、うみぐみのおばけ屋敷は出来上がった。

前の記事

代わる代わる

次の記事

ん!!