消えた梅ジュース

 2022年6月8日、はなぐみで梅ジュース作りをした。

 まずは、瓶に凍らせた梅の実を入れる。次に、氷砂糖、酢を加え、蓋を閉める。そして、じっくりと梅の実のエキスを抽出していくのだ。

6月10日

 梅の実を漬けた翌日。子どもたちが登園すると、瓶の中の梅ジュースが増えていた。だが、まだ2歳児には、それが前日より増えていると気づくのは難しい。そこで、水面の位置にマスキングテープを貼り、水位の変化が分かりやすいようにした。

6月15日

 すると、それに気づいた子どもたちが「増えてる〜!」」と興味を示す。それからというもの、登園後はテーブルに瓶を置き、水位をチェックすることが子どもたちの日課となった。

 それから、毎日増え続けていく梅ジュースだが、数週間後には、水位が動かなくなった。それでも、梅ジュースを作った日に「これでジュースを作って飲もうね!」と話したことを覚えている子どもたちは、「もう飲める?」「梅ジュースいつ飲む?」と出来上がる日を心待ちにしていた。

 そして、今日は待ちに待った解禁日。

 「今日は誕生会だね!」「いっくんのお祝い!」と言葉を交わす子どもたちに、「誕生会が終わったら、みんなで梅ジュースを飲もうね!」と声を掛けると、「いえ〜い!」「飲む!」との歓声が上がった。

 そんな会話をしている隣で、あることに気付いて眉をひそめていたのが凛久くん。昨日まで梅ジュースの瓶が置かれていた場所をじっと見つめ、「梅ジュースないよ。」と呟いた。保育者が「え?梅ジュースない?」と聞き返すと、「ほら!ここにあったのに、ない!」と引き出しの上を指差す。その様子を見ていた奏介くんも一緒になって引き出しの上を覗くが、やはり瓶が見当たらない。

 「先生!梅ジュースないよ!?どこ?」と切羽詰まった様子で尋ねてくる子どもたちに、「もしかしたら、大塩先生が知ってるかも。」と答えると、テラスにいる大塩先生に向かって、「おーしおせんせー!梅ジュースないよー!」と叫ぶ。だが、その声は届かないようなので、戻って来るまで一緒に待つことにした。

 梅ジュースの行方が気になって仕方がない2人は、大塩先生が戻るなり、大慌てで「大塩先生!梅ジュースないの!どこなの?」と尋ねると、「今日の朝、給食室に持って行って、美味しいジュース作って下さい!ってお願いしておいたんだよ。」との返事。すると、安心したように、みるみるうちに表情が緩んでいく2人。

 誕生会後、瓶に入っていた梅の実を、興味深げに見つめる子どもたち。

 そして、梅ジュースを飲むと、「すっぱ!」「すっぱい〜!」と顔を歪めながらも、「美味しい!」と声が上がる。苦手な子もいたが、友だちの「美味しい!」という声や雰囲気に刺激を受けて、一口飲んでみるという姿もあった。「自分たちが作ったもの」は、ずっと美味しく感じることだろう。

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