光る石

 「ねえ、先生!これ見つけた!」とハールちゃんが見せてくれたのは、ボトルの中に石やスパンコールを入れた「センサリーボトル」という手作りの玩具。中に入っている石は「特別な石」なのだ。

 両腕いっぱいにボトルを抱え、電子レンジへ運び、中に並べていく。そして、隙間から中を覗いてみたが、「あれ?」と首を傾げた。

 「特別な石」とは、じは太陽光を集めて「光る石」(蓄光石)なのだ。ハールちゃんは、このセンサリーボトルで遊んだことがあるので、そのことを知っていて、電子レンジの中で光るかどうか確かめようとしたのだろう。だが、ずっと室内にあった石は、太陽光を吸収していないので光らなかった。だから、ハールちゃんは首を傾げたという訳だ。

 さて、石が光らないと分かったハールちゃんは…ボトルを窓辺に並べ始めた。全てを並べ終えると、「よし!」と呟いてカーテンを閉める。「プールに入っている間に、太陽の光を集められるかな?」と声を掛けると、「どうかな?」と期待に胸を膨らませていた。

 ところが、すぐにまたボトルを移動させたハールちゃん。今度は、園庭側の窓辺に並べるようだ。驚いた保育者が「どうしてこっちに並べるの?」と尋ねると、「だって、こっちの方が太陽当たってそうだもん!」との答え。そう言われてみれば、こちらの方が明るい。よく考えたついたものだと感心した保育者。

 プールでは、頭を水面につけて遊ぶ航大くん。ワニになるハールちゃん。それぞれが好きな遊びを楽しみながら、水の心地良さを感じた。

 プールから戻り、石を確認しに行く。

 ボトルを手にしたハールちゃんは一瞬目を見開き、すぐに「ねえ、先生!これあったかい!触ってみて?」と保育者にそれを手渡した。確かに温かい。「ここに太陽が来てたからだよね?」と尋ねられ、「そうだね。ここに太陽の光が当たっていたからだね。太陽の光が当たると温かくなるんだね。」と答えた。

 なんだか今日は理科の実験をしているようだ。

 それを再度、真っ暗な電子レンジの中に入れて確認してみる。中を覗いたハールちゃんが、保育者の顔を見ながら、黙ったままニヤリと笑った。「え?何!?光らなかった?」と驚いて尋ねると、「先生も見てみて」とのこと。

 電子レンジの中を覗くと、その理由が分かった。今まで見たことがないくらいに、石が光っていたのだ。

 今日は朝から太陽の光がギラギラと照りつけていた。体温よりも高い気温だと報道されるほど厳しい暑さだが、そのお陰で光る石はピカピカになったのだ。

 「先生も見てみて」と言われた時、期待に胸が膨らんだ。大人になると、忘れがちな感覚。そんな感覚を忘れずに、子どもたちと同じ目線で物事を捉え、面白いと思える、探求できる保育者でありたい。

前の記事

消えたクラゲ

次の記事

広がる遊び場