うみさんのお部屋

 猛暑で、外に出られない日が続いていたが、今日は比較的過ごしやすかった。園庭で遊ぶことが決まると、急いで靴下を履き、帽子をかぶり、「早く〜!」と保育者を待っている。そんな子どもたちに、「先生がこども園に来る時、蝉の抜け殻が何十匹もいるのを見つけたんだ。こども園の裏にいたんだよ。」と伝えると、「え!?どこ?」「捕まえるー!」と声が上がった。「よし!じゃあ蝉の抜け殻捕まえに行こうか!」ということで、自分の名前を書いたビニール袋を手に、いざ!出発!

 …と思いきや、テラスに出た途端、大粒の雨が降ってきた。もう既に数名は園庭に降りている。「雨降ってきた!」「濡れちゃう!」「みんなは!?」と大慌ての子どもたちに、「これに入って行こう!」と声を掛け、ビニールシートを見せた。これを傘がわりにした経験のある子どもたちは、「そうか!」とその下に集まった。

 ビニールシートの傘に入って園庭に降りると、既に園庭へ降りていた子どもたちが、うみぐみの子どもたちと一緒に雨宿りをしていた。今日の外遊びは難しそうだなと思い、このままこの傘でお部屋へ戻り、氷遊びや絵の具遊びをしようかと考えていると、「うみの部屋で遊んで行きなよ。」と小西先生が誘ってくれた。

 「うみさんのお部屋で遊んでいいって!」と伝えると、「やったー!」「行くー!」と玄関に向かい、さっさと靴下と帽子を脱いでいく子どもたち。「よーし、じゃあ、小西先生についてきて〜!」と声を掛けられると、「はーい!」と返事をして、まっすぐ並んで後を追う。そんな子どもたちの後ろ姿からは、普段はあまり入ることのない1階のフロアにいるという緊張感や、これから遊びに向かううみぐみ保育室への期待感が感じられた。

 うみぐみ保育室に着くと、誰ひとり口を開くことなく、じっと小西先生の顔を見つめながら話を聞き、必ずお片づけをしてから次のもので遊ぶことを約束した。

 「どうぞ!」と言われると、すぐさま遊び始める。うみぐみ保育室に入った瞬間から、これで遊ぶぞ!と決めていたと思うような素早さだった。

 おままごとコーナーで数名が遊び始めた。「お茶を淹れて振る舞う子」「お茶を入れるためのコップをテーブルに運ぶ子」「それをお客さんとして飲む子」、それぞれが自分の役割がわかっていて、言葉を交わしながら遊んでいる。同じ場所でそれぞれで遊んでいるのではなく、子どもたちの中で共通した遊びのイメージがあるように見えた。

 木製の玩具で遊ぶ子もいた。色のついた棒に、同じ色の球を刺して遊ぶ玩具。1人の子が、すぐに棒の色と球の色を揃えるということに気づき、一旦、全ての球を棒から抜いて遊び始めた。そこへ、転がっていた球を拾った別の子が、それに気付かずに異なる色の球を刺す。すると、最初の子はその球を抜いて、同じ色の棒に刺し直す。何度かそんなやりとりを繰り返しているうちに、もう一人も何かに気が付いたように手を止めて、相手の動きをじっと観察をし始めた。そして、なんと、同じように色を揃えて遊び始めたのだった。

 言葉を交わさずとも、2人の遊びのイメージが共有された瞬間のように感じた。

 その他にも、パズルや絵本、電車の玩具等、好きな遊びを楽しんだ。

 先輩保育者の「うみの部屋で遊んでいきなよ。」という思わぬ誘いによって、普段は遊ぶことのないうみぐみ保育室で、新鮮な遊びを体験できた。雨が降ったので、お部屋に戻るということしか頭になかったが、少し柔軟にあたりを見回すことで、子どもたちが夢中になれる環境を見つけられることを、先輩保育者から学んだ日であった。

前の記事

初めての小麦粉粘土New!!

次の記事

今日は猛暑もひと休みNew!!