ひとりの時間、みんなの時間

 保育室を見渡すと、子どもたちの様々な様子が見えてくる。

 ブロックコーナーでひとり黙々とブロックを組み立て、ふとその手を止めてしばらく考え、崩して、また組み立てるといったことを繰り返している。その時は、話しかけても気がつかないほどだ。納得のいく作品が出来上がると、嬉しそうな顔で保育者や友だちに見せている。

 製作コーナーでは、折り紙の折り方が描かれた説明書を前に、難しい顔の詩織ちゃん。「ここまではできたのにな。」と、説明書とにらめっこしながら、何度も挑戦しているが、途中でよくわからなくなってしまったようだ。「美晴ちゃんならわかるかもしれないから、美晴ちゃんに見てもらってごらん。」と声を掛けると、折り紙が得意な美晴ちゃんが、「どれどれ。」と詩織ちゃんを手伝ってくれる。

 ゲームコーナーでは、坊主めくりやカルタで遊ぶ子どもたち。「坊主が出たから、全部出すんだよ。」「えー出したくない。」「だって、坊主めくりってそういうゲームだよ。」「もう、やめたくなってきた。」そんな会話が聞こえてくる。

 「ゲームは勝ったり負けたりするから面白いんだよ。最後まで諦めないでやってごらん。勝てるかもしれないよ。」そんな保育者の言葉に励まされ、最後まで取り組んでいた。勝った嬉しさ、負けた悔しさ、遊びの中で様々なことを経験し、みんなで遊ぶことの面白さを感じている。

 ゲームがひと段落して、ふと目をやると、百人一首を一枚一枚手に取って、じっくり見ている椛衣ちゃんの姿があった。その様子を見ると、描かれている人物の着物の柄を見て、「これは綺麗。」「こっちはかっこいい。」と、分類していた。なんだか微笑ましくて、思わず「ふふ」と笑みが漏れる。

 一人で自分の好きな遊びに没頭したり、みんなと楽しさを共有したり、そんな時間を行ったり来たりしながら、子どもたちは日々を過ごしている。

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