パッと開くと…

 今日は朝から雨で、午前中は保育室で過ごした。
 先日作った「空」の壁面。雲に見立てて綿を貼り付けたものの、接着の具合が気になったので、確かめてみることにした。
 大きな模造紙をパッと開いた瞬間、それを目にした子どもたちが「わあー!!」と集まって来た。長期の休み明けで、初めて目にする子もいるだろうし、既に関わってきた子は、その記憶が一気に蘇ったのだろう。

 接着の具合を確認するため、「空」を立てて持ちあげてみると、案の定、綿やお花紙がパラパラと床に落ちた。それらを、一斉に拾い集めると、「先生、のり持ってきて!また付けなくちゃ!」と。
 そして作業を始めようとした時、「ねえ、この虹、なんだか短くない?」との声が聞こえた。みんなで空を覗き込む。「…うん。確かに、短いかもね。」「前に本物の虹を見たときは、もっとずーっと長かったよ。」
 そこで、「お花紙ならまだたくさんあるよ。」と声をかけると、「やったー!もっと長くしよう!」ということになった。

 前回、この虹を作る作業に参加した子は、その方法を覚えており、「まず、紙にのりを塗るんだよ。」「それから、丸めたお花紙を貼るの。」「色の順番が決まっているから気を付けてね。」と周囲に伝えてくれたので、初めての子もすぐに要領を得て製作に加わった。
 初めのうちは、個々に作業をしているように見えたが、次第に様子が変わってきた。お花紙を丸める人、それを受け取って貼り付ける人、足りない色のお花紙を確認し、みんなのところへ運ぶ人、紙にのりを塗る人…。丸めた紙の受け渡しは、「はい!」「はい!」「はい次!」「どんどんいくよ!」と、まるで餅つきの、つき手と返し手のかけ合いを見ているようで、思わず笑ってしまった。それほどまでに、互いの呼吸が合っている。

 虹がどんどん長くなってくると、「そうだ!虹の橋にしようよ!端っこまで全部虹にしよう!」「いいねー!」と想像が膨らみ、子どもたちのイメージも共有されていった。一つの目標に向かって、役割を分担をしながら作業が進んでいる。一方で、作業をしながら、雲の上に時々横たわり、綿の感触を楽しみながら休憩する姿もあるが、それを咎める様子もない。それぞれのペースや関わり方が尊重された空間だった。

 虹の橋を作りながら、その感触を確かめたいのか、「気持ちいい!」と言いながら橋の上を歩いている。これは、あっという間にペタンコな橋になりそうだ。

 保育者は、前回の虹を見て、これで虹も出来上がったな…と思っていたが、またしても子どもたちの想像力で完成形が塗り替えられた。

 今日の製作を振り返ると、保育者がしたことは、模造紙をパッと開いたこと。それと、のりを補充したくらいか。

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