海を広げたい

 午睡時、子どもたちは海の壁画を見上げながら眠りについている。
 そして、先日こんな声が聞かれた。
 「海がいっぱいでもう貼れないね…。」

 保育者「海をもっと広げることもできるよ。ほら、ここのサメの部分、海を広げて貼っているでしょう?」
 子どもたち「え!?そうなの?」
 保育者「白い紙を足してつけることもできるし。」
 子どもたち「えー!やりたい!紙を貼ろうよ。」「電話の横まで紙が貼れるんじゃない?」

 実は、そんな計画が密かに進行しており、今日、ついに海を広げることになった。
 模造紙を広げ、大きさを測るのも、紙を切るのも、貼り合わせるのも、子ども自身で全部やりたい!そんな思いが伝わってきた。

 人手はみるみる増えていき、丸まりそうな紙を押さえる人、切るところで折り目をつける人、ハサミで切る人…と、自然に役割が決まる。今日はうみぐみの子どもたちの参加も多かった。「海を作るんだよ。」の声に参加者が増えていく。「だって、お兄さん、お姉さんたちが、面白そうなことをしているんだもの。」そんな声が聞こえてくるようだった。

 相談の末、海の色は水色と青を使うことになったが、うみぐみの柚紀ちゃんは、どうしてもピンクを使いたいということだった。ピンクが混ざっている海も素敵かもと思いながら用意していると、周囲からは「ピンクは海の色じゃないから塗らないで!」という声があがった。

 どうしようかとみんなで塗る手を止めていると、どこからか「(画面上部の)空(の部分)なら夕焼けに見えていいんじゃない?」という意見が上がった。この一言で、みんなが納得し、スッキリとした気持ちになれるのだからすごい。

 孝太くんは、海に線路を描き始めた。でも、みんなが青く塗っていくと、その下に消えてしまいそう…と思っていると、「これは消えてもいい線路だから。」と孝太くんが先に宣言をしていた。その線路を見ながら、海に線路はあるべきか否か、みんなの意見がまだ割れている間に、いつの間にか海の色の下に消えてしまったが、もう一度どうしていくかを相談するのも面白そうだ。

 海の色を塗っている後ろで、「水族館に行きましょう!」とごっこ遊びが始まっていた。折り紙でできたカメラで様々な魚の写真を取りながら、巨大水槽を満喫しているようだった。いろいろな種類の魚がいるので、見所満載だ。

 拡張された海は、穴が開くほどに青く塗り込まれ、乾くのを待つことに。一緒に作業をしていたうみぐみさんからは、「早く魚を貼ろうよ!」と意欲満々な声が聞こえてきた。

 ここからは、「うみ」ぐみの参加が増えていきそうな予感がしている。

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