昨日のつづき

 今日も少し涼しい朝だった。園庭に行こうと誘い掛けると、「蝉取りたい。」と返ってきた。

 そうは言ったものの、手にしているのは虫カゴだけ。素手で取るつもりなのだろうかと思いながら、しきりに葉の裏を覗く子どもたちを見て、気が付いた。
 探しているのは、蝉ではなく、蝉の抜け殻の方だ。

 昨日の散歩で、たくさんの抜け殻を見つけた喜びが、日を跨いでもまだ継続している。遊歩道から園庭へと場所を変えても、子どもたちは同じ楽しさを求めている。
 「昨日のあれがしたい。」と、関心を持続させる姿は、幼児ならではだ。

 水道付近では、「水を流したいの!」と、強く訴えている子がいた。ペットボトルを繋いだホース状の玩具の中を流したいようなのだが、そのまま流せば、水道付近が水浸しになってしまう。

 「芝生がたくさん濡れちゃうのは、困ったなぁ。」と伝えると、「やーだ!やーだ!」と顔が険しくなって来たが、その間に、別の子がバケツを持って来てくれた。「だったら、濡れないようにすれば良い。」無言でそう教えてくれているようだった。

 また、ペットボトルの先から、なかなか水が流れ出てこないことを不思議がっていると、その横から、静かにペットボトルに傾斜をつける子が現れた。

 すると、傾斜をつけた拍子に、蛇口からペットボトルがずれたことに気付いた別の子が、その位置を修正して、水の流れを良くしていた。

 その場に居合わせた子たちによる、無言の連携プレイに関心する。
 『ペットボトルの中に水を通したい』という遊びの目的を共有した途端、試行錯誤や、洞察力は一気に深まるようだった。

 子どもたちと蝉の抜け殻を探している時、園庭にたくさんの実りを見つけた。この実が色付く頃、子どもたちはさらに成長しているはず。保育者もまた、成長していたい。

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