やりたいことが

 先日、増設分の海の色を塗った際、紙に穴が空いた。その場所を確認していると、「紙の絆創膏を貼ろう!」と、その作業を手伝ってくれた。

 そして、補修の終わったその壁画を壁面に広げながら、貼り付ける位置を確認していると、子どもたちが興味を持って集まってきた。そしてその位置調整も、「私がやる。」と率先して引き受けてくれる。

 「海が広くなるの?」「先生、もう少し下!」「そう、そこでいい!」と、多くの目で確認をしてその位置が決まった。

 すると、右端の部分にまだ紙の長さが足りず、壁が見えている。どうしようかと相談すると、「ここも海にしたい!」と言って、さらに青い画用紙を継ぎ足して、壁のキワまでを海にした。増やしたサメも、広がった海に貼り直した。

 壁一面の海は圧巻。「なんだか泳ぎたくなっちゃった!」「先生、早く魚を作りたいから画用紙を出してよ!」「潜水艦に乗りたい!」「魚釣りをしたい!」と、やってみたいことが次から次へと浮かんでくる。

 そして潜水艦と一緒に潜望鏡も出した。実は、以前作成したものよりも遥かに高性能な手作り潜望鏡が、昨日、園に届いていた。これは、工作好きの前理事長が、たまたま作ってみたと届けてくれた。なんという偶然だろう!
 見えるはずのない位置の景色が映る仕組みが面白くて、みんな夢中になって覗いていた。

 潜水艦や魚釣りには、うみぐみの子どもたちも殺到していた。

 潜水艦、魚つり、製作コーナーの設置。準備が大変…かと思いきや、案外そうでもない。それは、子ども自身でできることが多いから。子どもたちの手の届くところに出しさえすれば、あとは子どもたちが手分けをしてセッティングしてくれる。ホールからテーブルや椅子を運ぶのだって慣れたもの。

 製作コーナーでは、図鑑など見ずともイメージを絵にしていく姿にも成長を感じる。うみぐみもの子どもたちも、思い思いに魚を描いては切り抜いている。「うみさんのお部屋にも海があるよね〜♪」と、鼻歌まじりのつぶやきも聞こえてくる。いつものうみぐみの活動の経験が、この壁画作りにもつながっているのだなと感じる。

 魚、人魚、お城など、イマジネーション豊かな作品が生まれる中、杏樹ちゃんが、シャチの電車を折り紙で折ったとのこと。ここで、ハッと思い出したことがあった。それは先日、海の色を塗った時、孝太くんが描いた線路が海に埋もれていたことだった。

 保育者「孝太くん、杏樹ちゃんがシャチの電車を作ったんだって。線路があったらどうかな?」
 孝太「わかった!!」

 孝太くんがペンで線路を描くと、杏樹ちゃんのシャチの電車がその上を走った。すると、「私も魚の電車を作ろうかな?」と、電車を作って貼り付ける子が出てきた。孝太くんも「駅や踏切があったほうがいいよね。」と、さらにペンを走らせていく。そして線路は、違和感なく海に溶け込んでいる。これが、子どもたちの想像の世界の面白さなのだろう。

 子どもたちには、まだまだやりたいことが浮かんできそうだ。

 給食前に、8月の誕生会を開催した。誕生児の柚希ちゃんと紗英ちゃんは、朝から身に着けるアクセサリー作りに忙しそう。

 「早く始まってほしい…けれど、始まっちゃうと終わっちゃうから、まだ始まらないほうがいいかも。」

 と、その期待感が伝わってくる。

 インタビューの内容は、自分たちで考えた。好きな動物と大きくなったら何になりたいか。その理由まで披露してくれて、思いが伝わってきた。会の終わりには、「ドッジボールと島の鬼ごっこをやろう」とみんなを誘って、一緒にゲームを楽しんだ。

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