とかげ探し

 園庭に出ると虫取りに夢中になる姿がある。ブームの蝉だけに限らず、バッタ、トンボ、そして以前から続くダンゴムシの人気も健在だ。

 今日も、「先生、バッタ捕まえに行こう。」と手を引かれた。バッタのいる場所も経験的に知っている。階段横の草の中だ。そこに足を踏み入れると、バッタが跳ぶ。それを目で追って、捕まえるのだから大したものだ。

 何度となく挑戦しているうちに、叶芽くんが「トカゲがいた!」と声を上げた。トカゲは時々見かけたり、お兄さんたちが捕まえたのを見せてもらうが、うみぐみではまだ誰も捕まえたことのない憧れの生物。

 叶芽くんの声に周りにいた子どもたちが集まる。しかし、丸太の隙間から逃げてしまったようだ。しばらくすると、階段側から隙間を覗いていた雅工くんが、自分の足元にあった草をむしり始めた。

 すると、その横で旺來くんが「かぶ!」と声を上げた。「大きなかぶ」を思い出したようなのだが、「かぶじゃないよお芋だよ。」と雅工くん。「さつまのおいも」の絵本を思い浮かべているのかもしれない。イメージを共有して、ごっこ遊びが始まるかなと見守っていたが、雅工くんは草を抜くことに夢中であった。

 「どうして草を抜いているの?」と尋ねると、「だって見えないから。」との返事。虫が逃げ出した時に見えやすくするためだったのだ。そのためには手間暇を惜しまない姿に感心する。

 すると旺來くんも草を抜き始めた。抜くたびに、「おいも、大きいよ!」などとイメージを膨らませ、想像の世界を楽しんでいるようだ。さらに環粋くんも「見てお芋!」と参加。「がっくんも大きいよ。」と雅工くんもそれに応えながらも、次々に草を抜いていく。

 雅工くんは自分の草をむしりながら、想像の世界を行ったり来たりして、やりとりを楽しんでいた。柔軟な子どもたちの遊びの世界には、本当に感心させられる。

 トカゲを捕まえる日もそう遠くはなさそうだ。

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