氷の絵筆

 月曜日に、うちわのシャボン玉で遊んだ後、子どもたちの希望で作っていたものがある。氷だ。

 テラスの冷凍庫の中に、出来るだけたくさんの製氷皿を敷き詰めて、「絵の具もやりたい。」と言った子と一緒に、絵の具も垂らして凍らせておいたのだ。

 「絵の具を凍らせると、画用紙に絵が描けるみたいよ。」という別の保育者のアドバイスを受け、蒸し暑い日に楽しもうと思っていた。
 そして今日、何とも蒸し暑い朝がやってきた。

 早速、冷凍庫から製氷皿を取り出し、大きな模造紙に皆で描くことにした。
 以前親しんだ食紅(6/3)やゆび絵の具(6/22)で作った氷とは違い、普通の絵の具は水と分離して凍るようだ。だから、色濃く描いていくことが出来る。

 絵の具遊びの時はいつもだが、初めは模造紙に描画していた子も、次第に自分の身体に着色し始める。今日は手の平に収まらず、腕にまで絵の具を付けると、その腕を模造紙に押し当てる姿があった。
 また別の子は、保育者を真似て、猫じゃらしや落ち葉を拾ってそれを絵の具に押し当て、スタンピングを楽しんだ。

 ひとしきり色遊びを楽しむと、絵の具の溶け残る製氷皿の中に水を足し、最後の一滴まで使い切ろうとする子が現れた。
 その子が、製氷皿の中の色水を模造紙の上に垂らすと、そこに描かれていたものが水で薄まり、消えていった。

 保育者は「あぁ、せっかく描いたのが、消えちゃったね!」と残念がったが、子どもたちはそうではない。
 水を掛けたら、絵が消える…別の子も水道へと走り、この発見を楽しむように、模造紙の上に水を注いでいくのであった。

 予想外の発見は本当にワクワクする。子どもたちの笑顔と、全体が薄青色に染まった模造紙を見ながら、そう思った。

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