秋の虫

 これから出会うであろう秋の虫のカードを数枚用意してみた。

 それを一枚ずつ切り分けていると、「何してるの?」と興味津々で、横から観察する子が一人。「この前、トンボがいたでしょ?これから散歩に行ったり、園庭で会うかもしれない虫のカードを作ってみたの。」と伝えると、さらに興味が湧いた様子で、切り分けたカードを手にしては、それをじっと見つめ、「バッタだ!」と知っている名前を口にする。そんなやりとりに気づいた子が、「なに?」と近寄ってきて、また説明を繰り返すとその子もカードに興味津々。

 そこで子どもたちがどのくらい秋の虫を知っているのだろうかと、切り分けたカードをテーブルに並べてみた。

 「これは、かまきり!」「トンボだ!」と大きな声で伝える。「あ!ゴキブリ!」という声に、指差す先を見るとコオロギのカードだった。確かに、パッと見た感じや色が似ている。「似てるけど、これは、コオロギっていう虫なんだよ」と伝えると、「コオロギ?」「コ・オ・ロ・ギ」と口々にその名前を確認するかのように呟いていた。

 「みたい!」「なにしてるの?」と、どんどんと子どもたちが集まってきて、カードを手に取って観察する。

「あれ?足が違うよ!」と伝えた子の方を見ると、左右それぞれに一枚ずつカードを持ち、驚きの表情。「ほら、こっちはこうで、バッタはこう」。どうやら足の長さが違うことに気づいたようで、カードを見せながら一生懸命伝える。「ほんとだ!カマキリの方が足が長いね。」。自分の発見を認められ、満足そうな表情を見せながら、それを友だちにも伝えていた。

 一人の子が、カードを見ながら歌を口ずさみ始めた。よく聞いていると、秋の虫の歌のようだ。いろいろな虫の鳴き声も出てくるその歌を、一緒に歌おうと思ったが一部歌詞が思い出せない上に、題名すら思い出せない。

 自分の記憶力を情けなく思いながら、どうしてもすぐに知りたくて、パソコンで調べてみることにした。その姿に群がるように集まる子どもたち。「秋の虫 歌」と検索をかけると、すぐに見つかった。「虫の声」という歌。「あれ松虫が鳴いているー♪」で始まるこの歌は、いろいろな虫の鳴き声が歌詞に出てくる。今日初めて聞いた子がほとんどであろうこの歌を、これから歌っていったら、みんなも口ずさむようになるだろう。五感で季節を感じていきたい。

 「これは、なんて鳴くのかな?」という声も聞こえ、再度パソコンの登場。聞こえてくる鳴き声と画像に、夢中で見入るこどもたちの表情は真剣そのもの。「知りたい」という思いが表情に表れていた。知りたいと思った時に便利なのがパソコン。子どもたちの興味に合わせて、うまく活用していきたい。

 今日は画面の中だったが、実物を見た時にはどんな反応を見せてくれるのだろう。

 カードをひとしきり観察した後、「みんなが見れるように貼ろう」と声をかけ、それぞれが好きな場所に貼った。

 虫のカードを手に、秋の散歩に出かける日が待ち遠しい。

前の記事

おめでとう!

次の記事

じゃんけん