トンボのメガネ

 数日前からみんなの気になる存在、それはトンボ。そこで、散歩にも持っていけるようなトンボのメガネを作ろうと考えていた。「トンボのめがね」の歌も、だんだんと覚えて保育者と一緒に歌う子も増えてきている。

 トンボを作ろうと伝えると、「青がいい!」「緑」と、好みの色を口にする。「〇〇ちゃんの服は、何色?」と聞いてみると、すぐに「青!」「△△のも青だよ」と口々に思いを伝える。色の理解や好みがはっきりとしてきていることを感じた。

 保育者が画用紙を丸めて見せると、それを真剣な表情でじっと見つめ、同じように手を動かして丸めようとするが、押さえながらでないと、どんどん太くなってしまう。思うようにいかないと、もう一度やり直そうとする子もいて、それぞれが納得のいく太さがあることを感じる。

 「できない!」という声が聞こえてくるかと思ったが、誰一人として保育者に手助けを求めなかいことからも、自分の力で作り上げたいという気持ちを感じた。

 セロファンテープを保育者と一緒に貼り付け、完成した胴体とメガネと合体させる。メガネの真ん中についている両面テープの紙を剥がすのは、指先を使ってあっという間。今までの経験が生きている。ここまでを完成させると、メガネを顔に当てて周りを見回し、「電気が赤い!」等、思い思いに目に映る情景を口にする。

 さて次は、白い羽にペンで模様をつける。中には、しっかりとトンボの羽をイメージして、色を選んでいる様子もあった。好みの色を付けた羽を、すぐに胴体にくっつけようとする様子に、慌てて両面テープを準備した。

 胴体に付けた羽を、嬉しそうに揺らす子どもたちの姿に、保育者たちは「そうだよね」と顔を見合わせた。実は、羽は外して壁面に残しておき、持ちやすいメガネと胴体だけを戸外に持ち出し、最後に保管する時に羽と合体させようとも考えていたのだ。よく考えれば羽のないそれは、トンボではない。大人の勝手な考えを反省。

 完成したトンボを手に、走り出した子どもたち。本物のトンボが飛ぶように動かしている。製作に入る前から、「トンボはこうやって飛ぶんだよ」と、体を使って表現していた子がいた。忠実に飛び方を再現しながら遊ぶ姿に、想像以上によく観察していたことに感心した保育者たちだった。

 「トンボは、こうやっていると手に止まるんだよね」と両手を広げ、人差し指を立てると、何匹ものトンボが保育者の指をめがけて飛んできては、ピタッと止まる。そのうちにダンボールを丸めて、「蝉さんのおうちに遊びに来たんだよ」とイメージを広げて、そこへトンボを置いてみたり、トンボ同士で会話するように数人で走り回ってみたり。そのうちに、疲れたのか寝転んで「トンボのメガネ」を口ずさむ子も。

 思い思いに遊んでいるうちに、コスモスが咲く壁面にはトンボのおうち(トイレットペーパーの芯)が出来上がっていた。すると、「あっちのトンボは眠くなってきたから、おうちに入れてきたんだ」と言って、作った2匹のうちの1匹を、おうちに帰す子も現われた。

 「昨日帰る時に、水にトンボがいたんだよ」という言葉を聞いて、早速、青いビニール袋で池を作ると「お水飲もう」とトンボたちが集まってきた。みんなでしっかりとイメージを共有しながら遊んでいることを実感した。

 これからしばらく続きそうなトンボ遊びの世界を、保育者も一緒に思い切り楽しみたいと思う。

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