ススキ探検

 明日、9月10日は中秋の名月、お月見の日だ。はなぐみの子どもたちにも、お月見とはどんな行事なのかをイメージするヒントになるようにと「おつきみおばけ」という絵本を読んだ。おばけとウサギが一緒にお月見をする可愛らしい絵本なのだが、「おばけ」の登場と、夜や月が描かれるその静かな雰囲気に影響されるのか、いつになく神妙に絵本に見入っていた。

 「明日はまん丸のお月様の日なんだよ。はなぐみさんもおばけちゃんとウサギちゃんみたいにお月見の用意をしよう」と呼びかけると、口々に「やりたい」といった意欲的な言葉が返ってきた。

 絵本を見ながら、お月見にはお団子とススキが必要なことを確認すると、それぞれ、お団子作りチームかススキ探しチームかを選び、早速仕事に取り掛かる。

 ススキ探しチームは散歩の用意を始めた。昨日作ったトンボも持って行く事になり、メガネを顔に当てて、「これでススキを見つけるぞ!」と意気込む子どもたち。内裏谷戸公園のテニスコート近くには毎年ススキが生えている。季節の変わり目に、新たな植物や虫たちとの出会いも期待しながら出発した。

 園を出てすぐに、いつも赤い実をつけていた木に、まだ熟していない青い実がたくさん付いているのを発見。「赤くない」「どこ行った」「キャベツの色だ」と色の変化に気づいているが、この木が新しい実をつけたことはわかっていないようだ。こんな風に季節の循環を何回も繰り返し体験していくことで、自然の変化に気づき、少しずつ理解も深まっていくのだろう。

 公園に着くと、トンボのメガネを顔に当て、目の前にある植物を覗き込んでいる。ススキに似たイネ科の雑草を見つけると、「あったよ」「これかな?」と保育者に知らせるところを見ると、絵本に出てきたススキをちゃんと覚えているようだ。「これはススキじゃない」「ススキ、ないねぇ」と腰をかがめて足元の植物を熱心に観察している。

 ススキがあることを期待するテニスコート脇の場所は、雑草が高く生い茂っていて、子どもたちにとってはさながらジャングルのようになっていた。あまりの雑草の多さに、保育者も少し躊躇していると、数人の子どもたちが保育者を置いて、勇ましくその中へと進んでいく。保育者も負けじと草をかき分け前進すると、先にススキの穂が見えてきた。子どもたちは足元ばかり探しているので、全く気づいていない。

 「見て!あれじゃない?」という保育者の言葉に子どもたちが顔を上げると、とうとうススキを発見!「あったあった」「先生、とって!」トンボのメガネを放り出す勢いで、ススキの発見を喜ぶ子どもたち。

 ススキを手にジャングルを抜けると、「広い。やったー。」と安堵の表情。やはり、草が生い茂った場所は少し怖かったのだろう。笑顔で広場を走り出す子どもたち。

 ところが、足を動かす度に足元で何かがピョンピョンと跳ねる。よく見るとあちこちにバッタがいるではないか。するとトンボのメガネを使って、バッタ探しが始まった。沢山いるのですぐに見つかるのだが、大きく跳ねるバッタを捕まえるのは大変だ。保育者が捕まえてみせると、負けじと子どもたちも必死に追いかける。保育者と協力してバッタを捕まえ、じっくりと観察していると、向こうにトンボの大群を発見!

 すぐにトンボに駆け寄る子どもたち。トンボのメガネを手に、本物のトンボと一緒に「ビューン」と空に舞わせている。「トンボさーん」「お友だちだよー」とトンボたちに呼びかけながら、精一杯手を伸ばし、自分のトンボを動かす。

 ススキ探しの探検は、トンボのメガネのおかげで、様々な秋の自然を見つける散歩となった。

 お団子作りチームは小麦粉を粘土状にして、手の平や指先を上手く使って大小様々なお団子を作り、三方の上に飾った。

 絵本や体験を通して、お月見の雰囲気を味わってくれたのなら嬉しい。

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