心地よいというルール

 朝の会ではいつも、仲間の顔を確認し合ったり、紙芝居を見たり、どこかのどかな雰囲気が流れている。けれど今日の朝は、少しピリっとした空気が漂った。

 保育者が何かを咎めたのではなく、皆で麦茶の飲み方の確認をしたからだ。
 保「麦茶を飲む時、このポットからは…飲まないよね。」
 子「〇〇ちゃん、飲んでた!」「飲んでないよ!!!」
 保「飲みたい時は、自分のコップに入れると良いよね。じゃあ、コップに入れ過ぎちゃった時は…どうしようか?」
 子「戻さない!手、洗う所にじゃってするの!」
 保「よく知ってるね。」「捨てるのももったいないから、お茶を少しずつ入れるのも良いよね。」

 自分も友だちも、心地良く過ごすためにルールがある。みんなでゆっくりと言葉を交わせるこの時間が、何より子どもたちの心に響いていく。

 園庭に出ると、ハンモックには2人の子。

 最初は保育者が「1、2、3…おまけのおまけの汽車ポッポ…」と、数え唄を歌って交代していたのだが、そのうち「先生、もう大丈夫!」と言われた。
 そこで黙って見ていることにすると、「ぐるぐる終わったから、どうぞ!」「私、強く出来た(漕げた)から、良いよー。ほら、早く降りれたでしょ♪」と言葉を交わしながら交替していく。数え唄がなくても、何やら楽しそうに代わる代わるハンモックを揺らしている。
 二人にとって、互いに満足した時が替わり時。相手の「その時」を待っている姿には、安心感と信頼感が溢れているように感じた。

 確かに、数を数えて交代するといった共通ルールが必要な場合もある。しかし、自分たちでタイミングを決めて交代をする2人には、その時よりもずっと心地良い時間が流れているようだった。ルールなどというものを越えた、もっとずっと大切なものが、そこにあるように感じた。

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