ドンジャンケンポン

 今、あおぐみでは様々な遊びに触れてみようということで、今日はドンジャンケンポンを提案した。

 すぐに「知ってるー!」と声が上がったが、ルールの共有を確認するべく、保育者がデモンストレーションをしながら伝えるも、みんなの理解に相違はないようだった。

 早速園庭に出てドンジャンケンポンを始めた。移動するコースをロープで引き、次走者はタイヤの中で待つ。順番が分かりやすいようにした。「よーいスタート!」と始めるものの、『これで合ってるかな?』と自信なさげに移動する子には、保育者が声掛ける。

 相手と手を合わせると同時に、「ドンジャンケンポン」の掛け声に合わせてジャンケン。負けたらコースから外れて列の後ろに回る。ジャンケンに負けたチームは次走者がスタートする。そうしたルールに慣れてきたところで、長くグニャグニャグルグルと曲がりくねったコースにバージョンアップ。何回か勝負を繰り返すうちに、一方のチームの勝率が高いことに気がついた。このことを子どもたちに投げ掛けてみる。

 保育者「なんでこっちのチームの方が勝つんだろう?勝つためのコツがあるのかなぁ?」

 子ども「(進むのが)早いからじゃない!?」

 保育者「なるほど!スピードが早いと先に進めてゴールに近くなるんだね!」

 そんななやりとりをすると、子どもたちはスピードが俄然速くなっていった。
 さらに、味方チームがジャンケンに負けた後のスタートダッシュには、目を見張るものがあった。ゲームの内容がよくわからない始めのうちは、あまり気乗りしない表情の子どもたちであったが、ゲームの面白さを知ると、気迫のこもった表情に変わっていった。

 そうした中に、中々遊びにのめり込めず、いつの間にか遊びの輪から抜けていく子がいた。ただ、その場から離れるわけでもないようだったので、声を掛けてみると、なんと、ソフト積み木や踏み台などを使った「障害物のようなコースだったら参加したい」という思いを伝えてくれた。

 「それは面白いね!!」とその発想に感動した保育者が、さっそく障害となりそうなベンチを運んで来ると、その子もソフト積み木を持ってきて、その配置を考えながらコース作りを始める。すると他の子も「何しているのー?」と興味深げにどんどんとコース作りに加わってきた。
 足元が不安定になるマットやソフト積み木、高さのあるビールケースやベンチなどが並び、さらなるゲーム性が加わると、1時間を過ぎても飽きずに遊び続けることができる、特別なコースが出来上がっていた。

 ドンジャンケンポンはよく知られた素朴な遊び。であるが故に、アイデアや工夫次第で、実はさらに面白い遊びへと発展させることができる。「コース作り」が加わるだけで、自分たちで難易度を調整しながら、どんどんと面白さを深めていくこともできる。

 そんな遊び方の本質を、子どもたちが教えてくれた。

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