泡遊び

 夏が戻ってきたような蒸し暑さ。朝の外遊びだけで汗が止まらない。水分補給と休息を兼ねて、室内に戻り朝の会を行った。その後は再び外に出てもいいし、室内で遊んでもいいと伝えると、やはり室内を選ぶ子が多かった。

 外でも涼を感じて楽しめるものはないかと、保育者がブツブツと独り言を言いながら棚の中を覗いていると、絵本コーナーからその様子を見ていた、いたこよちゃんと空離ちゃん、冬華ちゃん。

 「何?」と聞いてきたので、「んー、暑いから何か涼しく遊べるものはないかなーって探してるの。色水とか泡とかどうなかーって。」と答えると、「泡する!」と興味を示す。棚の中からボディーソープと使えそうなカップなどを出し、「これ一緒に運んでくれる?」と声を掛けると、積極的に伸びる手に期待が伝わってくる。

 アトリエの前にテーブルを準備し、泡遊びがスタート。カップに泡を入れてスプーンで混ぜたり、手で触って感触を楽しむ中、空離ちゃんちゃんが「先生、見て!」と泡を手で擦り合わせていると消えることを発見!保育者が「手品みたい〜」と反応していると、こよちゃんが「どうやってやるの?」と興味を持つ。

 手品の種は教えてはいけないことを知っているのか、「ひみつ〜。」と返しながらも、目の前でやってみせる空離ちゃん。その後、二人でそれを保育者に披露して驚かせてくれた。

 ひとしきり感触を楽しむと、「色つけたい。」に応えて絵の具を準備した。色がつくと色々なイメージが膨らむ。かき氷屋さんになったり、混色を楽しんだり、色水に展開しジュース屋さん。遊びが広がるほどに、子どもの人数も増えていき、結局、室内には誰もいなくなってしまった。楽しいことへのアンテナは敏感だ。

 しばらくすると、泡遊びを終えたみのりちゃんが、園庭で見つけたものを持ってきた。だいぶ大きくなっているがまだまだ青い。そこで「これなーに?」と聞いてみると「柿だよ〜。」と即答。

 最近楽しんでいる絵本にも青い柿が描かれている。色が違っても、ちゃんと形でわかっているのかもしれない。

 さらに「ちょっと硬そうだけど、食べられるかな。」と聞いてみると、「まだだよ。トマトと同じ。色が変わってから。」と説明したみのりちゃん。トマトを育てた経験をなぞるこの説明は、保育者の予想を遥かに超えていて…本当に感心した。

 体験を通して学んでいく幼児期の姿を教えられた保育者だった。

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