最終章に向けて

 いよいよ、いずみで行われる「フェスタ」を前日に控え、子どもたちと一緒にアイスクリーム屋さんの最終確認を行った。

 子ども「この看板を仕上げちゃおう!」

 子ども「でも、アイスクリームやさんって書けるかな?」

 看板の仕上げに取り掛かる子どもたち。わかりやすいように、文字の色は黒に決めたのだが、やり直しがきかない一発勝負に、「先に書いてよ。」「いいよ、紗英ちゃん書きなよ。」と、少しためらっている様子。

 保育者「失敗しても、やり直せばいいんだから。大丈夫、先生もそばで見てるからね。」

 子ども「そっか、失敗したらやり直せばいいのか。」

 保育者の言葉に少し安心したのか、思い切りよく看板に文字を書くことができた。「いいじゃんいいじゃん。」「ちゃんと書けたね!」「ここに、折り紙で飾り付けしようよ。」納得のいく看板ができたようだ。

 フェスタのチラシを見ながら、時間の確認やいずみの場所を確認していると、

 美晴「そういえばさ、お客さんって何人来るの?」

 保育者「先生もわからないんだよ。でも、気になるよね。副園長先生に聞いてこれる?」

 美晴「わかった!」

 事務室に駆けていき、確認して戻ってくる美晴ちゃんと帆夏ちゃん。

 帆夏「先生、少なくとも20人は来るって!!」

 保育者「20人も来てくれるんだね。楽しみだね。」

 美晴「でもさ、20人ってどのくらい?」

 20という数字がもう一つピンときていない様子だったので、あかぐみ、しろぐみ、あおぐみの子どもたちよりも多いことを伝えると、

 子ども「え!そんなに多いの!」「どうする?」「できるかな?」「明日だよね?明日やるんだよね?」「ドキドキしてきたー。」

 少し不安そうな菜美栄ちゃんが、

 菜美栄「でもさ、先生がアイスクリーム屋さんのリーダーでしょ?」

 保育者「違うよー。だって、フェスタのチラシに「せいびキッズアイスクリーム屋さん」って書いてあるでしょ?キッズって、子どもっていう意味なの。先生は大人だからリーダーにはなれないかな。」

 菜美栄「えー!!先生がリーダーだと思ってた。」

 美晴「でもさ、先生も側にいるんだよね?」

 紗英「紗英ちゃんたちが困ったら、先生に聞けばいいんだよね?」

 保育者「そうだよ。先生は、ずーっとみんなの側にいるし、困ったことがあればすぐに助けてあげるよ。」

 子どもたち「それなら大丈夫だね。」「先生がずっと側にいてくれるんだから、安心だよね。」「それに、みんなでやるんだから、力を合わせればできるよ。」

 そんな言葉を交わしながら安堵していく子どもたちを見て、傍に安心できる大人がいることが、挑戦する意欲を支えていることを実感した。そして、「力を合わせる」という言葉から、仲間からも支えを感じていることも嬉しかった。

 出来上がったアイスクリームを、「いいのができたよね。」「うん、絶対喜んでもらえるよ。」「緊張するけど、楽しみ〜。」と、腰に手を当てながら満足そうに眺める子どもたちを見て、保育者の心も期待で膨らんだ。

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