風よ吹け吹け

 昨日の夜から私は考えていた。台風が接近している中、明日の造形は大丈夫かなと。造形活動は主にテラスで行われているので、雨風が心配だったのだ。

 しかし、こいち先生が今日用意したのは「風ぐるま」作り。なんと、風を逆手に取ったものだった。私のように強風に戸惑うのではなく、それを生かした活動を考えている事に驚いた。

 子どもたちが四角い紙に絵を描いたり色を塗ったりしたものに、こいち先生が切ったり穴を開けたり竹ひごを通したりすると、あっという間に風ぐるまが完成していた。「風が来なくても走ると動くんだよ。」と見せたこいち先生を真似て、完成した風ぐるまを持ってテラスを走る子どもたち。「動いたー!」との声があちこちから聞こえて来た。

 しかし、だんだんと走る勢いが増してきたので、何か他の方法はないものかと考えた時、ふとうちわを思い出した。はなぐみで使っているうちわを借りて来て試してみると、見事に回り出した。

 早速、風ぐるまを衝立に取り付け、子どもたちも扇いでみる。回る風ぐるまに歓声が上がる。そのうち、手に持つ風ぐるまに向かって、別の子があおぐ姿もあって、協力し合いながら楽しさを共有しているようだった。

 ある子が、絵の具を乾かすために用意していたドライヤーに目を向けた。「ちょっとこれ(風ぐるま)にやってみて!」と言う声を受けて、ドライヤーの風を当ててみると、今まででみた事ないほどの勢いで風ぐるまが回り出した。

 なるほど、機械で風を起こす手もあったかと、早速、扇風機を持って来た。子どもたちは手動のうちわより、勢いの良く回る扇風機に集まって来た。しかし、扇風機に向けても回らない風ぐるまもある。

 保育室にも扇風機がある事に気がついた子どもが、天井の扇風機に風ぐるまをかざしてみるが、首を振っているので、風向きは一定ではなく、回ったり回わらなかったり。

 その一方で、うちわを使って、誰が一番回すことができるかという遊びも始まった。勢いよく扇いでみても、強さや風向きによってなかなかうまく回らない子もいれば、コツを掴んで勢いよく回す子もいる。ただ、闇雲に風を送ればというわけではないことが分かってきた。

 今日の台風の風は想定よりも弱く、こいち先生が期待していたほど、クルクルと回すことはできなかったようだが、そのおかげで、風の起こし方を工夫したり、回し方のコツなどを試行錯誤する楽しさがあった。

 みんなが作った風ぐるまは、しばらくテラスに飾っているので、ぜひご覧いただきたい。

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