いよいよ開店!

 今日は、いよいよアイスクリーム屋さん開店の日。

 昨日の夕方、副園長先生と「いずみ」に行き、実際に出店する場所を確認した子どもたちは、「ここで、やるのかー。」「緊張する。」「売る人と、財布を渡す人と、いらっしゃいませって言う人とチームに分かれてさ、交代でやるんだよね?」と確認しながら、当日への期待感と少しの緊張感も感じていたようだった。

 そして、いよいよ商品を移動販売車に乗せて「いずみ」に向けて出発した。この移動販売車、実は子どもたちが考えに考えた末に生み出したアイデアなのだ。

 どのようにアイスクリームを売るのかを相談した時、園の近所に移動販売車が来ていることを思い出した子がいた。「私たちも、移動販売車にしたい!」ということになったのだが、「車どうするの?」という、現実的な問題に直面した。

 「園の車を使えばいい!」「使っていいのかな?」「園長先生に頼めばいい!」「じゃあ、誰が運転するの?」「臼井先生が運転すればいい!」「いずみまでの道って、車通れるのかな?」

 アイディアが出る度に、その実現が簡単でないことにも気づく。どうしたものかと行き詰まった子どもたちに、

 「みんなのアイスクリーム屋さんだから、みんなができることで考えてみよう。そうすると園の車を使うのは難しいよね。園にあるもので、移動販売車になるようなものは?」すると、

 菜美栄「あの、引き車を使えばいいよ!」

 菜美栄ちゃんが園庭を指差すそこには、遊びに使っている黒い引き車。他の子どもたちも、「それ使えるじゃん!」「本当は人も乗りたかったけど、アイスクリームだけ乗せればいいか!」とその案に落ち着いた。

 すると帆夏ちゃんが、あるもう一つのことに気がついた。

 帆夏「あのさ、前にフェスタをクラスのみんなで見に行った時、野菜やパンも売ってたんだよ。その時ねお客さん、本物のお金で買ってたよ。もし、アイスクリーム買う時にも、本物のお金渡されたらどうする?困っちゃうよ。」

 他のみんなも確かにという表情で考え込んでいるようだったが、するとひとりの子が、

 「お金を作って、お財布に入れて渡せばいいよ!これで買って下さいって。」

 と思いつく。「そうだね!よかった〜これでアイスクリーム売れるよ。」と安堵すると、早速、お財布作りに取り掛かったのだった。

 さて、そんな移動販売者を引いていずみに到着すると、いよいよ開店の時。少し緊張気味の子どもたちは、訪れた園外のお客さんにお手製の財布を渡す。

 「これがチョコレート付きでおすすめです。」と商品の説明をしたり、「ありがとうございました、またお越しください。」などと、自分たちの経験を思い出しながらお店屋さんを楽しんでいた。

 「子どもたちが作ったアイスクリームの他にも、野菜やパンも販売しています、お時間あれば見ていって下さーい。」という副園長先生の声を聞いた颯太くんが、「アイスクリームの他にも、野菜とパンも売っています!」と、道行く人に懸命に声を掛けてくれる様子が、とても微笑ましかった。

 うみの子どもたちも、歳上のお姉さんやお兄さんの様子をよく見て、時々助けてもらいながら、意欲的に参加していて、異年齢の関わりの場ともなっていた。

 お客さんに、「よくできているね。」「美味しそうだね。」「こんなにたくさん作ってすごいね。」と、たくさん声を掛けてもらい、子どもたちも満足そうに笑っていた。

 今は園外の人たちと触れ合う機会が減ってしまっているが、今日ばかりは、子どもたちに新鮮な経験をもたらしてくれたように感じた。

 そして、本物のアイスクリーム屋さんってどんなだろうと考え、こだわりながらも、移動販売車やお金など、課題に行き詰まった時には、思い切って発想を転換していく思考力にも、子どもたちの成長を感じたのだった。

 店仕舞いをし、園に戻る道すがら、

 「楽しかったねー。」「楽しかったけど、疲れたー。」「子どもの時はさ、本物のアイスクリーム屋さんにはなれないけど、大きくなったら本物のアイスクリーム屋さんになりたいな。」「うん!たくさんのアイスクリーム売りたいね。」

 そんな子どもたちの声が聞こえてきた。

前の記事

好きなこと

次の記事

トレーを使って