チョークを作ろう

 園庭で遊んでいると、トントントン…という音が聞こえてきた。今日の造形遊びは釘を使っているのかな?と覗いてみると、子どもたちがトンカチで炭を細かく砕いていた。どうやら、炭を粉状にしたものを泥に混ぜて、それを使った遊びを考えているようだ。

  実は、当初はこの活動とは違う内容を考えていたこいち先生。しかし、アトリエの壁にかかる黒板に泥を塗って遊んでいる子どもの姿を見かけ、急遽、予定を変更したようだ。「子どもが泥に興味を持っているので、せっかくだから…」と、その日の子どもに合わせて柔軟に活動を変更していく姿はさすが。これは、私たち保育者とも変わらない感性だとも感じる。

 炭を混ぜて、少し色の変わった「泥」が出来上がると同時に、赤・青・黄の色がついたライン引き用の粉(炭酸カルシウム)を混ぜていく。こうして色のついた泥も出来上がった。泥に色をつけるという発想は思いもつかないことだったので、こいち先生の発想力には驚かされる。園内に様々な種類の土があれば面白いのだそうだが、さすがにそうはいかないので色をつけるという考えに至ったようだ。さっそく、子どもたちがその泥を黒板に塗りつけていくと、カラフルな泥の模様が出来上がっていく。

 こいち先生はその泥を握って固めながら「これを乾かせばチョークができるんですよ。」と興味深い発言。ちょうどチョークもなくなったところだったので、それならとチョーク作りが始まった。

 チョークは「との粉」と水を混ぜれば出来上がる。小さなお皿に用意されたチョークの材料に、次々と子どもたちの手が集まり、粘土状になるよう練っていく。素早く混ぜようとすると、粉が容器から溢れる。それを伝えると「本当だ。」と、混ぜる手付きが優しくなっていく。

 水の量を調節したり、成形したり、それぞれ好きな役割を担っていく。成形作業は粘土遊びの感覚に似ているので「見てー!こんな形ができたよ!」と薄く伸ばしたり、ドーナツ型にする子もいたが、チョークを作っていることを伝えると、「あ、そうだった!」とチョークに使いやすい形を考え、作り直していた。

 粉を混色したり混ぜたりして、カラフルかつユニークな形のチョークが出来上がった。水分が抜け、チョークとして使えるのは1週間後。次の活動への期待も高まる。

 その後ろからは、再び炭を砕く音が聞こえてきた。一通り活動に触れたあと、一番興味を持ったところへと戻っていったのだ。砕かれた炭を集める子、それをふるいにかける子、ここでも好きな役割に違いがある。同じ活動に見えても、1人ずつ興味を持つ場面や行為が微妙に異なるのが面白い。

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