ノコギリ

 散歩中にドングリ集めを楽しんでいると、かぜグループに「どんぐり転がし装置」なるものがあると聞いて(10/15)、見せてもらいたいとお願いをした。木の部屋の前に来てね、ということだったので、散歩前に訪ねてみる。

 出迎えてくれたあかぐみの子どもたちが、ドングリを転がして見せてくれた。「こうやるんだよ」「ここに入ったらあたりだよ」と教えてもらいながら、早速やってみる。長い滑り台のような装置をコロコロとドングリが転がっていくのを目で追いながらも、初めは少し緊張気味。だが、かぜグループに兄弟が多いはなぐみは、すぐに打ち解け、お兄さん、お姉さんたちと言葉を交わしながら遊び始めた。

 そして、この装置を貸してもらう約束を取り付けると、散歩に出発することに。ところがどこからか「ギーコ、ギーコ」とノコギリの音が聞こえてくる。かぜグループがノコギリを使って家づくりをしていた(11/8)のだ。さきほどまでの賑やかさは何処へやら、その前に立ち止まると、固まったように見入っている。

 家を作っていることを教えてもらうと、ようやく散歩へ出発。ふと見ると、手には平たい形の石を持っている子が何人もいた。

 園外へ出ると大きな枝や岩などを見つけるたびに、平たい石を擦り付け「ぎーぎー」「木のお家作る」と話している。なるほど、持っていた石はノコギリ。はなぐみでは、木の家といえば「三びきの子ブタ」。かぜグループのノコギリが印象に残り、みんなすっかり子ブタになって木の家作りに精を出している。

 さらに偶然にも本物のレンガのカケラを発見すると、そのままレンガのお家づくりも始まった。全員で石を拾い集めて、郵便局前のスロープで木の家やレンガの家をせっせと作っている。いい石が見つからない子には「これあげるよ」「これで一緒にお家作るぞ」と誘いかけている。

 「できた!」

 実際は石やレンガが転がっているだけなのだが、子どもたちの頭の中には、絵本に出てくるような立派なレンガと木の家ができているに違いない。「ね!」とお互い満足そうに笑い合う姿に、「本当だね、狼が来ちゃうかもね」と応える保育者だった。

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