ミックス

 昨日に続き、今日も冷たい雨だった。9時半前に、20分程園庭に出ることが出来たが、その後は給食までの時間を保育室で過ごした。
 その中、蒼太くんが、左の作品を作った。

 この作品を、蒼太くんは初め『カブトムシ』と言っていたが、保育者や楓真くんに「あ、クワガタだね!」などと言われているうちに、作品名は『クワガタ』へと、自然に変わっていった。

 他者の声に耳を傾け、取捨選択しながら、自分が納得出来たことは、自分の中に取り入れていく…

 大人も子どもも、人間はこうして他者と折り合いをつけながら、自分の思いを変化させ、確立し、世の中を渡り歩いていくのだろう。

 蒼太くんが『クワガタ』を見せにきてくれた時、保育者は絵合わせカードで遊んでいた。子どもたちが室内遊びをしていると、普段は種類ごとに分類され、コーナーごとに分けて収納されている玩具同士は、それぞれのコーナーを越えて混ざり合っていく。
 そうしているうちに、パズルやブロックで遊びたいのにままごとの料理になっていたり、室内が泥棒に入られた後のように散らかって見えることも多い。

 だからこそ、保育者の中には『コーナーを越えた玩具の混ざり合いをどこまで受容するか』という迷いが生まれる。そして『いつ、片付けるように促すのか』と。
 でも、散らかっているように見える室内も、少し見方を変えると、子どもの想像力や、他者とのやりとりがいっぱい詰まった宝部屋なのだと感じる。

 すると、政尋くんが「ミックス♪ミックス♪」と言いながら、蒼太くんの『クワガタ』を使ってカードを集め、シャッフルさせることを楽しみ始めた。
 環粋くんが、床に落ちていたレゴブロックの動物を、カードとカードの隙間に並べ始め、動物園作りに発展することもあった。
 ままごとのチェーンリングが、電車ごっこの車両になることもあった。

 子どもが『ミックス』した後は、遊びの広がりや深まりが見られる。
 ごちゃごちゃになった保育室は、最後にみんなで片付ければ良い…そう自分に言い聞かせた。

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