はなぐみのパン屋さん

 今日もあいにくの雨。室内でも楽しめることは無いだろうかと考え、小麦粉粘土、シール貼り、クレヨン画、ゆりこ等、様々なコーナーを設け、子どもたちが自由に選んで遊べるようにした。

 「小麦粉粘土も始まるよ!」と声を掛けると、真っ先にやってきた2人。小麦粉の匂いを嗅ぎ、「いい匂いするね!」「美味しそうな匂いだね!」と話していた。

 小麦粉を容器に出そうとすると、「あさひがやるー!」「じんくんがやるよ!」と声があがった。「一緒に入れて!」と伝えると、2人で協力して小麦粉を出していた。

 何事も大人がやってしまうのは簡単。だが、そこを子ども主体で行うことで、貴重な経験となると感じた。そして、自分で行ったからこその、気づきや発見が生まれるのだと思う。

 初めは粉のまま触って感触を確かめた。「さらさら!」「ふわふわしてるね!」と感触を言葉にして互いに伝え合っていた。

 あさひちゃんが小麦粉に手のひらをぎゅっと押し付けて手形をつけ、「見て!あさひの手形!」と言うと、仁十くんも「じんくんも!」と手形をつけ始めた。

 そこへ「なになに〜!!」と駆け寄ってくる匡くん。

 粉のままで楽しんだ後は、水を加えて小麦粉粘土を作り遊んだ。

 一気にドバッと水を入れる、ちょろちょろと少量ずつ水を入れる等、水の入れ方一つでも個性が見られ面白かった。

 手にべっとりとついた小麦粉を気にする様子が見られたが、「これ取って!」と互いに取り合い小麦粉粘土を練っていた。

 小麦粉粘土がある程度まとまってくると、あさひちゃんが「あさひパン屋さんするから!」と言って何やら作り始めた。それを聞いた仁十くんも「じんくんも作るよ!」と言って取り掛かった。

 こねて、丸めて、伸ばして、ちぎって…。試行錯誤しながらパンを作る子どもたちの表情は真剣だ。

 「長いパンできたよ!」「次はクリームパン!」「これはホットドックのソーセージ!先生ホットドックのパン作って!」とどんどんパンができあがっていく。なんだか楽しくなってきて、子どもに混じってパン作りを始めた。

 側で見守るだけでなく、子どもたちの世界に入り込み一緒に遊ぶことで、イメージを共有することができるのだと感じた。

 時間差でやってきた2人にも粉から粘土に質が変わっていくことを楽しんで欲しいと考え、隣のテーブルで第2弾を始めた。

 初めは小麦粉粘土を羨ましそうに見つめていた2人だったが、いざ小麦粉が出てくると夢中になって遊び始めた。

 第2弾の小麦粉粘土が完成する頃には、子どもたちが集まってきていて、「メロンパン作りたい!」「えっとね、これは、お魚パン!」とたくさんの種類のパンができていった。

 保育者が作ったメロンパンを見て「これは?」と尋ねてきたあけるくん。

 「一緒に作る?」と声を掛けると、「うん!」と頷いてメロンパン作りを始めた。真剣な眼差しで保育者の手元を見つめ、自分も真似してやってみる。

 メロンパンが完成すると、大切そうにお皿に並べていた。

 一人が始めた「パン屋さん」。そのイメージがいつの間にか周りの子どもたちにも共有され、みんなで共通のイメージを持って遊んでいる姿を見て、この時期の育ちだと感じた。

 自分が感じたことや考えたことを言葉にして伝える子どもたち。遊びの中でこういった経験を繰り返すことで、だんだんと自分の気持ちを表現できるようになっていくのだと思う。

他のコーナーでも好きな遊びに没頭する子どもたちであった。

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