見る、聞く、考える

  昨日とは打って変わり、暑い雲に覆われた今日。登園人数が少なく、いつもより広く感じるはなぐみ保育室では、それぞれが好きな遊びに夢中になっていた。

 朝おやつも、用意ができるとすぐに食べ始める子がいる一方、誘いかけても「いらない!」と遊ぶ手を止めようとしない子もいたが、「じゃあ、食べたくなったらきてね」と応え、普段より、個々のペースでゆったりと時間が流れているように感じる朝だった。

 昨日の絵の具遊びで色づけした障子紙。今日は、滑り止めマットを巻いたタンポで、鯉のぼりの鱗のように絵の具で模様をつけようと計画していた。

 準備の間、紙芝居の『三匹のこぶた』を読むことになった。

 絵本『はけたよ はけたよ』と、どちらがいいか子どもに聞くと、圧倒的な差でこちらに決定!先週初めて読んだのだが、その時にも「もう一回!」とリクエストが出たので、子ども達にとって興味深い内容なのだろうと感じる。

 オオカミが煙突から鍋の中に落ち、熱くて逃げていく、という最後の場面では、「オオカミ、熱かったの?」と質問が飛び、1ページ戻して説明をすることになる。わからないことを確認して、だんだんと物語の世界に入り込んでいく様子が感じられた。これからも、いろいろな物語の世界を一緒に楽しんでいきたいと思うのだった。

 後ろを振り返ると、昨日の障子紙が床に広げられていた。「わあ!綺麗な色がついているけれど、どうやって色をつけたの?」と聞いてみた。「クルクルってしたの」「塗り塗りしたんだよ」とそれぞれの言葉で説明をしてくれた子ども達。

 「今日は、何をするんだろうね?」と問いかけてから、これからすることについての説明が始まると、説明をする保育者にみんなの視線が集中。「これ、タンポっていうんだけど…」という言葉に、「タンポ?」。きっと頭の中には、?がいっぱいだったのだろうと思うが、一生懸命説明を聞いて、その疑問を解決しようとしている様子が感じられた。

 一通り説明を聞いてから、いざ、開始!園にあった滑り止めマットを使ったため、青・ピンク・白の3色のタンポがあったのだが、「ハールちゃん、ピンク!」「あさひも!」と、早速取り合いになりそうに…。色の名称を口にしながら遊ぶことも多いはなぐみの子ども達だが、好きな色のものを使いたい気持ちも強いのだと感じた。女の子に絶大なる人気のピンク…幼い頃、青がお気に入りだった私には不思議だ。

 それぞれが、好きな場所にトントンと模様をつけ始めた。少し経つと、一人二人と別の遊びに移動し始めたが、タンポで模様をつけることに面白さを感じた様子の子達は、絵の具を足したり、スタンプのタオルが動かないようにテープで固定したりする保育者とともに、模様をつけていく。

 そのうちに、保育者のマスクにポンと模様が!それをみた他の子達が、競うように保育者のマスクにタンポをつけ、あっという間に、世界に一つだけの特別なマスクが完成したのだった。

 用意していた絵の具は一色、道具も一つ…これは何か展開をしたい…と考えた保育者。

 さて、何かないかな、と保育室を見渡し、目についたのは、コーナーで遊ぶ子の手に見えたブロック。一つ取ってきて絵の具をつけ、紙にポン!小さな丸が4つ付いたのをみて面白いと思ったのだろう、ブロックを取りに行き同じようにスタンピングが始まった。

 さらに、「何かないかなぁ」と言いながら道具となるものを探していると、「これは?」とままごとコーナーからお椀を持ってきた仁十くん。「いいね!」そんなやりとりを見て、数人が同じように探し始めた。「洗えるもので、探してみて」とだけ声をかけてみた。ペットボトル、おたま、しゃもじ、コップ、どんな模様がつくのか試して行った。最後には車も登場!線が何本もつき、なんだか尻尾のように感じたのだった。感心したのは、『洗えないもの』が一つも選ばれなかったこと。子ども達はよくわかっている。考える力も育っている。

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